No.202-2


ユネスコ平和コンサート・2003
 
川井綾子+白石光隆 ピアノデュオふたりの謝肉祭
語り : 森田三枝子(目黒ユネスコ協会会員)・小柳 亘(劇団アドヴァンス所属)・日中泰景(劇団アドヴァンス所属)
 
川井綾子 ・ ショパン:ワルツ 作品69-1  リスト:バラード 2番
白井光隆 ・ ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ  ショパン:スケルツオ 3番嬰ハ短調 作品39
川井綾子+白井光隆 ・ サンサーンス 動物の謝肉祭(二台ピアノ版)
 
日時:10月13日(月・祝)15時開演   会場:めぐろパーシモンホール大ホール
主催:目黒ユネスコ協会 共催:目黒区教育委員会 (財)目黒区芸術文化振興財団
後援:(社)日本ユネスコ協会連盟・(財)目黒区国際交流協会・目黒区小学校PTA連合会・目黒区中学校PTA連合会・目黒区こども会連合会
 
 オープン一年目、めぐろパーシモンホール大ホールご自慢の2台のスタインウェイ・フルコンサートピアノが美しく向かい合って並ぶ。目黒区出身、目黒ユネスコにも縁の深い二人の新進気鋭のピアニスト、川井綾子さんと白石光隆さんのピアノデュオコンサートが行われた。例によって小中学生は無料招待。

 第一部はソロで2曲ずつ親しみ深い曲が演奏された。第二部は「動物の謝肉祭」を青年三人の語りを交え、低学年の子どもたちにも分かりやすく親しめる工夫が行われた。特にアンコールでは青年会員の森田さんがスタディツァーで訪れたネパールでの体験談を織り交ぜた語りを聞かせてくれた。音楽とユネスコの心をこのように直接に言葉で結びつけた試みは珍しく大きな拍手となって大成功であった。                    


朗読劇に出る人いない?
 

文と絵 青少年対象活動委員会 森田三枝子
 
左から司会の加藤会長と日中・森田・川井・白石・小柳の皆さん
 理事会に出たことから、思いがけず友人とその演劇仲間と舞台に立つことになった。観客は小学生くらいのお子さんが多い。「よし、この子たちに伝わるように読もう!」前半は静かであったが、アンコールに入り会場のそこかしこで笑い声が。やった!何かが伝わっている。嬉しかった。ピアノコンサートを通じて再認識したのは芸術の素晴らしさである。生のピアノの音を聞くと心が落ち着き、やさしい気持ちになれた。芸術は人に感動を伝えることができるのだ。その芸術の一員として参加できたことを誇りに思う。
 アンコールで私はこの春旅したネパールでの出来事を話した。「ネパールの村では家の床や壁は土でできています。床などがデコボコしてくると牛の糞をスリスリとこすりつけて平らにします。牛の糞が汚いという認識がないので、牛の糞をさわった手でそのままご飯を食べてしまいます。充分な衛生知識がないために皆病気になります。10人の子供のうち5人は病気になり大人になる前に死んでしまいます。UNESCOの寺子屋では読み書き算数のほかにも、ご飯の前に手を洗うことを教えています。」ネパールでの経験も、芸術を通せば多くの人に伝わるのではないか?そんなヒントをこのコンサートでもらった。そしてネパールでの経験を漫画にすることにした。
私に貴重な経験を与えてくれた、このコンサート運営に携わった多くの人々に感謝したい。



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