No.208-3


田島重雄氏「指導者賞」受賞 おめでとうございます
 
 目黒ユネスコ協会顧問である田島重雄博士が、母校ミネソタ大学から卓越した指導者として功労賞を授与されました。博士は1955年同大学で農業教育の修士号を取得され、帰国後北海道大学で農学博士号を取得され、帯広畜産大学教授に就任。1968年にはユネスコ本部(パリ)の農業教育科学部の部長に任命されました。又、日本ユネスコ国内委員、專本ユネスコ協会連盟理事、当協会副会長等国内においてもユネスコ運動に幅広く活躍され、現在は当協会顧問の要職をお引き受け下さっています。
 
 今回の受賞は長年にわたる教育者としての業績に加え、文部科学省、農林水産省をはじめとして、ユネスコ、OECD、APO、その他の国際機関における博士の指導者としての役割を高く評価されたものです。82歳の現在も矍鑠として、帯広畜産大学名誉教授のほか、二つの農業大学校の理事・評議員、またアジア太平洋農業・環境教育学会の名誉会長として活躍しておられます。
 
受賞理由などの詳細がミネソタ大学のホームページでご覧になれます。 上の写真は同ページから
 http://www.international.umn.edu/awards/leader/2004/tajima.html
又、ミネソタ大学の日本語によるホームページで「人権文書と資料」は知る人ぞ知る有益なページです。是非一度ご覧下さい。
 http://www1.umn.edu/humanrts/japanese/Jindex.html
 

岐阜県白川村立白川中学校修学旅行生、事務局来訪
 
 5月26日のとても暑い日、白川中学校の生徒七名が同校小川潤也教諭に引率されて、修学旅行のプログラムの一つとして目黒ユネスコ協会事務局を来訪されました。2,000メートル級の山々に囲まれた静かなところから来られ都心の雑踏と暑さには驚いた様子でした。
 白川村にはユネスコ世界遺産に認定された茅葺きの合掌造り集落があります。そのため、世界遺産の制定の過程、現状、問題点などから話が始まりました。文化遺産・自然遺産・複合遺産のこと、又危機にさらされている危機遺産のこと、多様な遺産とその背景にある文化への尊敬の気持ちを持ち続けることの大切さなど話し合いました。
 「日本の子どもは恵まれていると言われていますが、私たちにはその実感がありません。世界の子ども達の状況を教えて下さい。」との鋭い質問もありました。そのため、ユネスコが取り組んでいる「世界寺子屋運動」の話になりました。橋本副会長が訪れたベトナムの寺子屋運動を例に挙げて、険しい山で隔てられて住む民族は違った言葉を使うこと、互いに理解し合うために共通語の学習が必要なこと、しかし、それによって民族固有の文化が失われる危機感もあること、そのような困難な現実を一緒に学びました。
 この白川中学は全校生徒が50名というこぢんまりとした学校で、二年生になるとオーストラリアへ研修旅行に行くそうです。広い世界を体験することが地域に生かされ、15年度の学校行事を拝見すると、茅葺き作業の一部体験や村内一斉美化運動に参加等、地域の一員として活躍している様子がよく分かります。THINK GLOBALLY ACT LOCALLYの言葉が生きているようです。白川地方の言葉で「はんすくたい」とは「いらいらする」という意味だと教えてくれました。英語を学びつつ方言も豊かに使う生徒さん達でした。私たちも生徒さん達と共に「はんすくたい」という言葉を口にしない生活を心がけたいと思います。ともに学んだ、実り豊かな午後となったことを感謝しています。                 青少年対象活動委員会副委員長 宮崎富美子





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