No.210ー4

メディアの巨人“電 通”世界寺子屋運動に参加を歓迎する

               ◎ くるりんぱ? ◎ 
 皆さんは「くるりんぱ」という逆さ絵をご存知だろうか。象の顔の絵を逆さにしてみると、それが白鳥になったりする不思議なトリック絵の数々。くるりんぱ作家マルタンは語る。「ものの見方は一つではない。」「発想を変えると相手が良く理解できる。」これはまさに「相手を知らないことから争いが始まる。」というユネスコ精神というものではないだろうか。
◎ くるりんぱ展開催 ◎
 広告・コミュニケーション業界の最先端をゆく日本最大の情報産業“電通グループ (鞄d通、鞄d通国際情報サービス、鞄d通テック、潟Tイバー・コミュニケーションズ)が“くるりんぱ”という絵本を媒介にして、日本ユネスコ協会連盟の推進する「ユネスコ・世界寺子屋運動」を全面的に支援することとなった。
その最初の展覧会が東京新橋のシオサイト地区に新築された電通本社ビルギャラリーで「ユネスコ世界寺子屋運動・くるりんぱ展」(8/18-8/29)として実施された。夏休みということもあり、連日子ども連れでにぎわい、ICUや文京学院大学の学生、目黒ユネスコ協会ほか大勢のボランティアがこれを支え大きな成果を収めた。
      ◎ 電通グループの取組 ◎
 電通で昨年全社員に社会貢献についてのアンケート調査を行ったところ、回答者のなんと92%を超える社員が「電通は社会貢献活動に積極的に取り組むべきだ。」と思っていることが判明。職業柄、文化・教育・環境・国際協力等に関心が多いこと、社員でくるりんぱの作者でもある後藤 徹氏からも提案があったことをふまえ「ユネスコ・世界寺子屋運動」に協力することとなった由。 非識字者が世界の約5人に一人の割合の8億6000万人(※大人と就学年齢に達しながら教育を受けられない子どもを併せて9億6400万人)もいることに非常な驚きがあり、「コミュニケーションを扱う会社として、その手段すら学べない人びとに無関心でいられない。」ことが社会貢献事業への原点となったとのこと。
電通社会貢献部初代の部長、松代隆子氏は電通が社会貢献に動き始めた経過、コミュニケーションを社業とする企業の責任、CSRと言う視点からも、積極的に社会貢献活動にとりくんでいきたいと、就任早々意欲満々のご様子であった。松代部長は、日本の子どもたちにとって、寺子屋運動は縁遠い問題かもしれないが、日本においても学校現場や「メディアリテラシー」教育など取り組むべきコミュニケーションの課題があると指摘する。
◎ ユネスコ活動の展開 ◎  寺子屋運動という非常に地味な活動と、情報産業の最先端を行く電通グループとの出会いは、両者にとって貴重な出会いであり、今後両者の協力関係が深まるにつれ、新しいユネスコ活動の展開が開かれる可能性があると思われる。世界寺子屋運動の発展のために、両者が知恵を出し合い助け合うことは大きな実りをもたらすであろう。当面は松山での日本ユネスコ運動全国大会のほか国内でくるりんぱ展を展開する予定。メディアの世界的巨人がユネスコ活動に積極的に係わり、平和への糸口がより多彩になり、多くの人々が平和づくりの道に参加できるようになることを期待したい。
     ◎ 企業の社会貢献参加を願って ◎
 更に望むなら、日本の多くの企業が社会貢献により一層力を注ぐことを期待したい。ようやく日本でも株主に対する説明責任については若干の進展が見られるが、社会に対する貢献度については、まだ経営課題の指標として重要視はされていない。この点においてこの度の電通グループの「ユネスコ・世界寺子屋運動」への協力が多くの企業の社会貢献参加への起爆剤となることを願うものである。
 この度の電通グループとの出会いは、目黒ユ協の若手会員、原田健一さんがくるりんぱ活動のメンバーであることから始まったもので、改めて目ユ協の人材の多彩なこと、交流の広さには感嘆する。デザイナーとしては既に目黒ユ協の多くのポスター・ちらし作りに貢献しているニューホープの更なる活躍を祈りたい。        広報活動委員長・奥澤行雄

夏の体験 そのT
とても暑かったこの夏、会員の皆様はどのような夏を過ごされましたか? 二つの報告を紹介します

  日本語教室のスタッフとしてもご活躍の横溝さんは日本語教育の実績を評価され、JICAのシニアボランティアとして南米チリに行っておられます。当地から美しい絵はがきが届きました。

 日本はものすごく暑いそうですね。私は4月6日よりJICAのシニア海外ボランティアで ここ南米チリの首都サンチャゴより800km余り南下したバルディビアに来ています。ここは南部湖水地方の一部で川や沼の多い本当に美しい所で観光地にもなっていますが静かな学園都市です。配属先のアウストラル大学で日本語を教えています。まじめでやさしい学生たちに教えられることも多いです。南半球なので今は冬です。今日から冬休みが終わって後期の授業が始まりました。12月の夏休みまで大忙しです。4月には帰国しますので、又よろしくお願い致します。日本語教室の方々によろしく。お大事に    2004.8 横溝清子 CASA BLANCA  Garcia Reyes 406,  Valdivia, CHILE

夏の体験 そのU
   
 
青年会員の森田三枝子さんはリトリートで大活躍をしたあと、木曾ユネスコ協会から招かれて奈良井に行った報告を寄せて下さいました。スタディツァーでネパールに行った貴重な経験をもとに豊富なユネスコ体験交換会が盛り上がったようです。
 
高校生ボランティア体験in木曾ユネスコ  8/20〜23 長野県楢川村奈良井 於・木曾ユネスコ協会
 奈良井は木曽路の宿場町の姿をよく残しており、まるで黒沢明監督の「用心棒」の世界。多くの観光客が訪れます。木曾ユネスコ協会の事務所は江戸時代後期の日本家屋で、築150年。これを観光客に開放、案内するとともに「書きそんじハガキ」のキャンペーンを行いました。参加したのは高校生男子3名、木曾ユネスコの井原さんご夫妻、名古屋ユネスコ協会の中村ジュニア君、リトリート参加者の五十鈴川さん、私の計8名。次々にやってくる観光客を相手に、奈良井の歴史や建物、ユネスコの説明に全員が大活躍でした。最後は囲炉裏を囲んでのギターコンサート! とても充実し、楽しいものになりました。  森田三枝子


次ページ