No.212-3

 
創立50周年記念 特別講座

   断絶を超えて−対立を和らげる教育と文化の役割    

講師:前検事総長 原田明夫氏
日時:2004年10月23日(土)  会場:目黒区守屋教育会館
 
 今年6月に検事総長を退官し、11月にはスタンフォード大学の教壇に立つため渡米される寸前の超多忙な合間を縫っての講演であった。
 堅苦しい肩書からは想像も出来ない柔和な語り口で、内容も新渡戸稲造にまつわるお話から始まった。
 新渡戸稲造が第一次大戦中、国際連盟で事務局次長を務める傍ら、国際知的協力委員会の代表幹事を務め、これが後のユネスコに発展する話が中心となった。異なる思想、異なる文化を越えて人々の交流を促進し国家間の調停にも大きな働きをしたことが語られた。それは「我、太平洋の架け橋とならん」と青年時代に語ったことがまさしく実現したのであったということであった。
  後半は、9.11以後の世界の断絶、紛争の分析をもとに、テロとの戦いは、異なる思想、異なる文化を双方が受け入れることによってこそ終息するという指摘であった。在米日本大使館に勤務された経験も交え日米の国家のあり方の違いなどにも触れた話もあり、難しい質問にも丁寧にお答え下さり有意義な会は終わった。
この速記録は50周年記念誌に収録される予定です。お楽しみにお待ち下さい。         広報 奥澤記
 

第35回 目黒ユネスコ コンサート  ”ウイーンの風 Part-V ”
 
    ユネスコ平和コンサート・2004   目黒ユネスコ協会 ・創立50周年記念
     主催: NPO法人 目黒ユネスコ協会  共催:(財)目黒区芸術文化振興財団・ 目黒区教育委員会
         後援:(社)日本ユネスコ協会連盟・(財)目黒区国際交流協会
      2004年10月29日(金) 19:00 〜    めぐろパーシモンホール
          
  曲 目  ヨーゼフ・ハイドン     「ピアノ三重奏曲 第1番 ト長調 作品73 HobXV−25」
      ヨハン・ネプモーク・フンメル 「ピアノ五重奏曲 ニ短調 作品74」
      ヨハネス・ブラームス     「ピアノ四重奏曲 ト短調 作品25」
   演 奏  ウイーンピアノ 五重奏団
        ピアノ: 陽子・フォッグ       ヴァイオリン: ペーター・ヴェヒター 
        ヴィオラ: ヘルムート・ヴァイス    チェロ: ヨルゲン・フォッグ
        コントラバス: マンフレート・ヘッキング
 6時開場の1時間前には数人の方が受付前に並ぶほど、このウイーンピアノ五重奏団のコンサートは常連ファンが待ちかねる存在となっている。目黒ユネスコ創立50周年を記念して招待した子どもたちが親子連れで来場、また、先生に引率された五本木小学校の児童50余名が2階席でウイーンフィル奏者たちの演奏に聞き入っていた。クラシックのコンサートは初めての子どもも多かったと思うが、一流の音楽に触れる貴重な体験となっただろう。
 演奏は一体となったピアノと弦のハーモニーが聴衆の胸に心地よく響き、時間はあっという間に過ぎ去った感。アンコール2曲もまた素晴らしく聴衆を魅了し、予定を大幅に超えて終了した。ロビーのサイン会も閉場の10時に迫り、主催者をやきもきさせる一幕もあった。                                                                                          

広報 清水記   


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