講師：�專�本ユネスコ協会連盟　松本幸敏氏
　主催：目黒区教育委員会　　主管：目黒ユネスコ協会　日時：04.10.12 18:30〜　会場：青少年プラザ

　アフガニスタン大統領選挙を控え、治安悪化のため一時帰国している松本氏の講演はまずアフガニスタンの現状紹介から始まった。復興の道を歩むアフガニスタンの課題を、民族性、経済構造の危うさ、未熟な産業構造、軍閥の存在、不十分な教育環境等々、日ユ協連制作のビデオを使い、様々な角度からの分析があった。日ユ協連が進めている寺子屋運動の特色については、ご本人がこの２年間自ら関わっていることもあり、豊富な映像を交えて丁寧な説明があった。寺子屋は子どもに限らず老若男女が廃墟から立ち上がるための、職業訓練も含め多角的な学習訓練の場として活用されているとのことで、人々が寸暇を惜しんで学ぼうとしていることを知り、その努力に敬意を抱くと共に一日も早く復興が進むことを願わざるを得なかった。

　今年の３月からは、日ユ協連と国際協力機構（ＪＩＣＡ）そしてアフガニスタン教育省との合同事業が開始され、寺子屋をアフガニスタンの教育の中に制度化し、長い戦乱の中で教育の機会を奪われてきた女性や成人たちにも、寺子屋を通じて広く平等に教育が提供されることを目指しているとのこと。再び戦乱の危険を伴う任地に戻られる松本氏の安全を祈ると共に、今後の成果の大いなることを期待したい。

　　 写真右：イスタリフの寺子屋授業。女性と男性の学習等は完全に分離する風習がある。写真撮影も女性スタッフによる。

　　　 写真左：左から４人目が松本幸敏氏。寺子屋研修代表者会議で教育省識字局長（中央女性）その他各国の関係者と共に。　

　

２００４年度　関東ブロック・ユネスコ活動研究会に参加して

日時：10月30日（土）〜31日（日)　　会場：江戸東京博物館

　今年の研究会は東京都ユネスコ連絡協議会が主催し、二日間にわたり開かれました。目黒ユネスコ協会からも加藤会長はじめ２０名が参加し研究会の運営を支えました。

　「ユネスコ活動：日本から世界へ−地域社会からの発信」をテーマに、講演や、パネルディスカッション、分科会、研修報告などが行われました。

　１日目には基調講演として、黒田玲子氏（東京大学大学院総合文化研究科教授）が“「科学」を育む”という演題で講演され、世界科学会議で採択された「世界宣言」を紹介されました。この宣言で規定された２１世紀の科学のあり方に関し、「持続可能な発展のための科学」や「社会の中の社会のための科学」について話されました。

２日目の分科会では、各地のユネスコ協会からユニークな取り組みが報告されました。東金ユネスコ協会では退職校長会による学校教育支援活動について、佐野ユネスコ協会からは川の自然景観を取り戻す活動が発表されました。

次に青年のインド研修報告が、寺子屋の大切さを伝える楽しい劇と共に行われました。

最後にエクスカーションとして、江戸博の見学で二日間の日程が終わりました。時代の変化に対応した活動の必要性を感じた有意義な研究会でした。 　　　広報　斎藤　記　　　　　　　　　　　　　　　　

　なお、来年の関東ブロック・ユネスコ活動研究会はひたちなか市で開催されます。ひたちなか市には１４世紀に書かれた壁画が虎塚古墳の中で発見され、ひたちなかユネスコ協会では貴重な文化遺産として保存保護に協力しています。ご興味のある方の参加をおすすめします。2005.10.27(木)-28(金)ひたちなか市で開催されます。

　写真：虎塚古墳壁画全景　虎塚古墳の２遺跡は国の史跡指定。古墳内は常に16℃、そのため外気温16℃内外になる秋春の一時期見学可能となる。その他市内には原始・古代から多くの遺跡群が連綿と残されているそうです。