No.213-5

  迎   春                  委員長からの年賀状
事務局長 原田富美子
 
 五本木小学校の一角に事務局が与えられて早くも3度目の新年を迎えたことになる。
相変わらず試行錯誤の繰り返しではあるがこの事務局は創立50周年を迎えた2004年大いにその存在意義を発揮したのではないかと思う。OA機器の充実もその一翼を担うが何よりいつでも集い作業するスペースのあることの有り難さは格別だ。
 しかし、昨年からの懸案事項がクリアーされたか 少しでも進展したか、というとそのまま積み残されていることも多い現実に気付かざるを得ない。「各種業務マニュアルの充実、創立以来50年間の貴重な各種資料の整理並びに保管管理にも着手していきたいと考えている」との昨年の公約は願望に終わってしまった感がある。反省! 幸いこのユネスコ協会は多種多様多彩な人材に恵まれている。しかし未だ実力を発揮する機会を得ないでいる多くの方々の存在を思うとき大変申し訳なく思う。いつでも誰でも代わり合える事務局体制の確立が急務だ。今年こそ更に多くの協力者を得て共に一歩前進したいものだと思う。
 一方、この一年、事務局に来訪者をお迎えしての楽しい語らいをいくつも体験できたことは大変貴重な収穫であった。世界へ誇れる目黒ユネスコ協会の活動があってのことだとつくづく思う。修学旅行生、大使館からのお客様、各地ユネスコ協会からの来訪者など、目的は様々だがどの場合も交流体験から教えられることも多い。今後もこのような出会いを持つことは事務局の大きな役割の一つと言えよう。共に語らい、平和の心を共有する場となることを祈念している。
 月〜金の午後1時〜4時の時間帯、日常業務を支えるのは事務局ボランテイア。月一度の皆様のご協力がユネスコ活動を支えます。ご支援のほどよろしくお願い致します。
  (事務局:5725−6150)  写真:  左上:岩手県東磐井郡東山中学校生徒  右下 岐阜県白川中学校生徒
 
広報活動委員長 奥澤行雄
 
 「63億人の地図」というTV番組を見た。「地球上のすべての人とともに生きる」。・・・そんなことはとても不可能に見える。あまりにも違う63億人。この世界。しかも、国連およびユネスコの調査によれば世界の人口は急速に増加しており、2025年には飲み水さえ不足して水争奪戦争が起きるかもしれず、2050年には90億人を超え、それだけの人口は支えきれないという限界に達する。「欲しいものは奪う」人類の記憶に埋め込まれた遺伝子が引き起こす不安定な地球がいまある。
 「知らないことが、疑惑と不信を生み、人間の尊厳をおとしめ、しばしば戦争の原因になった」(ユネスコ憲章前文)。人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理は、いま根底からあらためて再確認しなければならない事のように思う。
 目黒ユネスコ協会は2004年創立50周年を祝い、NPO法人に衣替えした。目黒ユネスコ協会は「小さな地域から地球の上のすべての人々に」という思いで活動してきた。
 区内の小中学生や一般区民から寄せられる「書きそんじハガキ」は発展途上国の寺子屋支援に役立てられている。しかし「寺子屋」は私たちにこそ必要ではないかと最近考える。私たちは、あまりにも、ものを知らなすぎるのではないか。
「63億人と共に」生きるにはどうしたらよいのだろうか。「欲しいものは欲しい」から喧嘩をしたり戦争をする愚かさは、どうしたら避けられるのだろうか。
 私たち、広報に携わる者にとって、そして、ユネスコに関わる者にとって、まず「知ること」の大切さをかみしめたい。そして「知った事」を「伝える」ことは広報の大切な原点だと考える。


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