地域と共に学ぶ減災 ~広げよう!学びの輪~

愛知県立海翔高等学校

活動に参加した児童生徒数/1学年17人、2学年13人 計30人
活動に携わった教員数/10人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/200人

実践期間2017年5月25日~2018年2月22日

活動のねらい

➀ 本校をとりまく地理的な特性、濃尾平野下流の海抜0m地帯で想定される災害について地域との連携を図りながら理解を深める。
② 生徒、地域住民、学校などそれぞれの立場からの防災を学習する。
③ 地域の防災リーダーの芽を育む。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
➀ 地域のフィールドワーク  市内の災害にまつわる碑や史跡・輪中・木曽川下流域の治水施設等を訪れ、地理的な特性から想定される災害について学習する。
② 地域の防災訓練等への参加・協力 VC(防災ボランティアコーディネーター)について学習し、地域の総合防災訓練等で共助支援技術を向上させる。
③ 地域住民参加型の聴講授業の実施 本校で実施する減災(防災)授業に保護者や地域住民を招き、共に減災(防災)に関する理解を深める。
➃ 地域の近隣施設・小学校への出前授業 聴講授業などで学習したことを、近隣小学校などへ出前授業を行い減災(防災)についての学びの輪を広げる。
内容 学年 学ぶ 体験する 伝える
4 27 西部小避難誘導リハーサル「心の減災教育」 2年
5 11 海部地方総合防災訓練 事前研修 2年
5 25 西部公園の伊勢湾台風史跡を見学 1年
6 1 避難訓練のプランを考えるグループワーク 1年
6 8 2年生による1年生への避難所体験レクチャー 合同
6 15 弥富市出前講座「災害に強いまちづくり」 合同
7 6 避難救助袋を利用した避難 南部消防署レクチャー 合同
7 13 レスキューストックヤード講和&座談会 合同
9 21 第1回聴講授業「伊勢湾台風災害跡地巡検」 2年
10 5 フィールドワーク地域の危険箇所探索 合同
10 19 第2回聴講授業「防災かるた」 合同
10 26 土木学会出前講座「液状化しそうな地盤とは」 合同
11 9 第3回聴講授業「福祉実践教室 非常時に役立つ手話」 合同
11 30 ハイゼックスでごはんを炊く&AED講習会 PTA
12 14 第4回聴講授業「認知症サポーター養成講座」 合同
1 11 アイアリーンブループロジェクト(フランス菊植栽) 2年
1 25 十四山西部小学校出前授業「防災かるた&防災クイズ」 1年
2 8 第5回聴講授業「土木学会出前講座 橋のふしぎ」 合同
2 22 十四山東部小学校出前授業「防災かるた&防災クイズ」 1年
2 22 弥富市栄南小学校出前授業「防災かるた」 2年
課外
6 4 海部地方総合防災訓練 2年
8 9 校外学習(人間環境大学) 2年
8 23 十四山西部児童クラブ防災訓練 2年
8 24 校外学習(名古屋市港防災センター) 1年
10 29 十四山文化のつどい 授業実践報告出展 合同
2 24 防災ボランティアコーディネーター体験講座(本校) 合同
2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①以前から取り組んできた地域との連携について、その意識と方向性が明確になった。
②「学ぶ・体験する・伝える」の活動領域のバランスをとり、3年間継続できる減災教育に取り組んだ。
③助成金によってヴィジュアル化デジタル化が可能となり、より効果的に視覚的に学び体験したことを「伝える」ことができるようになった。また次年度からは生徒自らの学びをポートフォリオにまとめてそれを共有できるようにしていく。
3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
弥富市役所、地域住民、小学校、消防署、NPOなどの団体とネットワークを築くことができた。単発で終わるのではなく、次年度以降もよい関係を継続してよりよい減災教育に取り組んでいける手応えを感じている。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。 入学当初は、おとなしく静かに座っているだけであったが、3学期には主体的に学ぶ姿勢が目立ちはじめた。また、協力し合うために話をすること、自ら手を挙げる積極性などは普段には見られない態度であった。答えがひとつではない問いを考えること、学んだことを壁新聞や出前授業でアウトプットすること、学校の先生以外の専門家から直接学ぶ機会が多いことなどから、他教科では得られない知識や体験は本当に大切なことだと感じたことが大きいと推察する。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
担当教員の視点から、年間5回の聴講授業で各分野の専門家から専門的な知識をわかりやすく生徒と共に学べた。防災・減災への純粋な興味と関心を持つことができた。
保護者の視点から、生徒と共に学ぶ機会はとても貴重であること、保護者同士で学び合える機会も楽しい時間であること。また、聴講授業などをきっかけにして学校行事に積極的に関わっていくことができた。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
➀学びの蓄積と記録、後輩たちへカタチとして残していくこと。
②担当教員以外との関わりと広がりが乏しい。
③上の➀➁の課題をふまえて、学びの成果をデジタル化・アーカイブ化して校内外に発表する機会をつくっていく。

 

活動内容写真

  • サバ飯体験

  • ワークシート

  • 専門家による聴講授業

  • 地域住民との聴講授業

  • 避難誘導

活動において工夫した点

各会の専門家を招いて体験・実験を組み合わせた聴講授業をしてもらった。保護者と地域住民に約1ヶ月前から告知して参加を呼びかけた。毎回約10名程度の参加があり、生徒と一緒に熱心に授業を受けてもらった。
近隣の小学校へ出向いて出前授業を行った。学習したことを高校生が小学生に教える自律的活動として「防災かるた」「防災クイズ」等を行った。

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