高校生による市民へ向けた減災・防災の視点を踏まえた環境教育の実施

栃木県立栃木農業高等学校

活動に参加した児童生徒数/3学年87人
活動に携わった教員数/6人
活動に参加した地域住民・保護者等の人数/52人

実践期間2017年6月1日~2018年2月17人

活動のねらい

3年前の関東東北豪雨の際に、校舎に隣接する複数の沢が地滑りを起こし被災した。行政機関や大学や民間会社と連携し、発生した土砂廃棄物の再利用や今後の防災のあり方を検討し、農業土木科の学習活動の中で代々受け継がれている。
土砂廃棄物の処理によって次の災害を防いだり、土のうという形で再利用することにより、災害箇所の復旧に役立たせるなどといった、今日までの取り組みの成果をまとめ、市民や子ども達に発信する(ESD活動の実践)ことで、地域一体で防災・減災の視点を持った環境創出に取り組んでいくことを目的とした。

活動内容

1)実践内容・実践の流れ・スケジュール
※資料参照

2)9月研修会の学びの中から自校の実践に活かしたこと。研修会を受けての自校の活動の変更・改善点。
  昨年度まで(助成金を受ける前)の実践と今年度の実践で変わった点。助成金の活用で可能になったこと。
①授業内で3年前の豪雨災害を振り返させ、自分の身の回りの被災状況だけではなく、栃木市全体の被災状況や地域ごとのデータ、被災者の証言(新聞記事の活用)などを通して、改めて身近な自然災害について学ぶ機会を創った。
②災害後の復旧や二次災害の対策などについて、ものづくりを通してより深化した内容について取り組むことができた(林道の復旧工事など)。

3)実践の成果
減災(防災)教育活動・プログラムの改善の視点から
地域の自然・環境・被災の爪痕と向き合うことによって、「災害はまた必ず起こる」のだという想定をした上で、全校での防災避難訓練(土砂災害が発生という想定で初めて実施)の実施をするなど、学校全体に波及することが出来た。また、本校で防災教育やESDを実践していることを市民や保護者・子ども達にも知ってもらうことができた。

児童生徒にとって具体的にどのような学び(変容)があり、どのような力(資質・能力・態度)を身につけたか。
生徒達(関わった方全体)の防災・減災意識が向上した。特にESD活動を担った生徒達は、より災害が起こりうる危険箇所の調査(ハザードマップ作り)にも取り組み始めるなど、今までの環境に配慮したものづくりの実践に、「防災・減災」という視点が確実に加わっている。

教師や保護者、地域、関係機関等(児童生徒以外)の視点から
ESD講座の事後アンケートからは、「自然と共存する地域づくりが学べた」「身近な危険性が学べたことと、避難の重要性に気がついた」などの声をいただいた。

4)実践から得られた教訓や課題と今後の改善に向けた方策や展望
本校農業土木科は、平成31年入学生より「環境デザイン科」に再編され、より「地域から学び、地域に還元する」技術者や産業人の養成を目指していく。ユネスコスクールへの加入や高校生環境サミットへの参加を目指し、さらに防災・減災の視点を広げて教育活動の中に根ざしていきたい。

 

活動内容写真

  • 環境地質調査

  • ものつくり体験

  • 土砂分別

活動において工夫した点

ESD活動を2度にわたって実践した点。小・中学生対象のものは、理科や道徳の観点を取り入れて、楽しく地域の自然環境や危険性を知ってもらうという内容。市民向けの講座については、より専門的な環境保全技術を紹介し、継続して支援・協働ができるように、生徒活動をPRした。

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