ごあいさつ
ユネスコ(国連教育科学文化機関: United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)は、人類史上未曾有の犠牲をもたらした第二次世界大戦終結後に、「戦争は人の心の中に生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」という「ユネスコ憲章」の理念に基づいて創設された、国連の専門機関です。
この「ユネスコ憲章」の理念に感銘を受けた人々によって、1947年、世界初の民間ユネスコ運動が仙台の地で始められ、やがて日本全国に広がっていきました。
北海道では、1948年に現札幌ユネスコ協会と北海道ユネスコが一体となって「ユネスコ協力会」が発足し、1951年には第7回日本ユネスコ運動全国大会が札幌で開催されました。
全国各地で270余のユネスコ協会・クラブが日本ユネスコ協会連盟に加盟し、次の2つのミッションを掲げて活動しています。
【平和な世界の構築】
すべての命を尊び、多様性の尊重と国際理解の深化をはかり、紛争のない世界、核兵器のない世界を希求し、草の根から積極的に「平和の文化」の構築を進めます。
【持続可能な社会の推進】
世界が抱えるさまざまな課題に向き合うための教育=ESD(持続可能な開発のための教育)を生涯学習の重要な柱と位置づけ、持続可能な社会の実現を目指します。
具体的な活動としては、カンボジア・アフガニスタン・ネパール・ミャンマーにおける世界寺子屋運動、世界遺産・未来遺産運動、東日本大震災など自然災害発生後の教育支援、減災教育をはじめ、「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に向けた次世代の育成にも力を入れています。
さて、新型コロナウイルスの世界的大流行(コロナパンデミック)により、日本でも2020年には学校が休校になり、経済活動が極端に制限され、私たちの外出もままならず、暮らしぶりは大きく変化しました。そして、アフターコロナの時代になっても、経済格差や教育格差等がますます拡大しつつあるといわれています。「誰一人取り残さない」を合言葉とする「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を目指すユネスコ活動の推進が、いっそう求められています。
また、2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、いまだ停戦の兆しが見えません。多くの命と暮らしが奪われ、やむを得ず国内外に避難する人々が続出しました。
ユネスコ本部および日本ユネスコ協会連盟は、ただちに「ウクライナの危機に関する声明」を発するとともに、日本ユネスコ協会連盟は全国のユネスコ協会に「ウクライナ支援緊急募金」を呼びかけました。
2023年2月末日時点で82,147,205円の募金が集まり、ウクライナ、ルーマニア、スロバキアの現地団体と連携し、ウクライナ避難民への宿泊・食糧・生活物資などの支援を実施しました。
北海道ユネスコ連絡協議会も「ウクライナ緊急声明」を発するとともに、道内の各地ユネスコ協会とともに募金活動に参加しました。
道内では現在20のユネスコ協会が、全国のユネスコ協会との連携事業に加えて、各地域の特色を生かした多様な活動を展開しています。
また、「自分だけではなく誰もが」、「今だけではなく将来も」、安全に、安心して暮らせる「持続可能な社会」の担い手となる若い世代を育成するために、ユネスコスクール(2023年8月 時点で49校、チャレンジ校3校)を通じて、地域との連携強化をめざしています。
北海道ユネスコ・各地ユネスコ協会は、多様な年代の地域の方々で構成されています。
どうかお気軽に社会貢献の輪にご参加いただければと、会員一同心から願っています。
北海道ユネスコ連絡協議会
会長 大津 和子