ペルー便り
~ペルー流 LOVEの表現~
日本で2月14 日といえば、女性が好きな男性にチョコレートを渡す日として知られている。本命チョコ以外にも、義理チョコを用意することもある。一ヶ月後には、男性が女性にお返しをするホワイトデーまである。
一方ペルーでは、2月14日バレンタインデーを180度違う形で祝う。日本とは逆で、男性が女性に尽くす日なのだ(逆のケースも若干ある)。義理やホワイトデーなるものは一切ない。 常日頃から愛の言葉が交わされるのが普通のペルーだが、この日は、赤いバラの花束、大きなぬいぐるみ、アイラブユー的なカード、チョコレートやお菓子がプレゼントとして選ばれる。もっとロマンチックな演出をするなら、雰囲気のよいレストランで、ちらちら燃えるロウソクの灯、ちょっと贅沢なディナーをご馳走することもある。
カップルが街中を歩いていると物売りが寄ってきて男性に囁く。「あなたの横にいる美しい女性に似合うバラを一輪買っておくれ」と。当然この日の価格は高いが、男性は女性の手前断れず、バラを購入して女性に贈る。
リマの観光地として有名な「恋人たちの公園」では、キスしている巨大な男女の像の前で、どれだけ長くキスを続けられるかコンテストを行なったりする。 愛の日は、同時に「友情の日」でもある。パートナーのいない人たちも誰かの家やバー・クラブに集まり、飲んで踊って楽しむ。
ちなみにバレンタインデーは全世界共通で2月14日だと思いがちだが、南米ブラジルでは結婚を祝う聖人サン・アントニオ・デ・パドゥアの亡くなった6月12日、ボリビアやウルグアイでは、春がスタートする9月21日、コロンビアでは9月の第3週目の土曜日だ。基本的に「愛と友情の日」、もしくは「カップルの日」として祝福される。
自分の国の当たり前が、他の国では当たり前ではないこともあると考えさせられるバレンタインデー。もちろん私も、夫から大好きな大きな白い百合の花束をもらった。(太田さやか)