風力発電、バイオマス発電、核融合見学ツアー

科学・環境委員会

11月8日から9日の2日間に亘り、茨城県所在の「ウインド・パワーかみす第一第二洋上風力発電所・神之池バイオマス発電所・那珂核融合研究所」等の施設を、19名の参加を得て見学。

大船を7時30分に出発、11時45分頃、1番目の見学施設、ウインド・パワーかみす第一第二洋上風力発電所に到着。

風車は自然再生可能エネルギーの象徴!!

ウインド・パワーかみす洋上風力発電所の施設管理・運営株式会社ウインド・パワー・エナジーの取締役小松崎忍氏からの洋上発電所の説明を受けた。要約すれば、風力発電は、多様の自然再生可能エネルギーの中で発電効率の最も優れた発電方法であり、5年程前には日本特有の気候(台風・落雷等)や自然災害に対応した大型風力発電機が開発されたため、発電効率が一段と飛躍向上した。特に、洋上風力発電機は、陸地から離れて設置されたことから騒音、低周波障害等発生が少なく、近年、最も注目を集めている。本格的洋上風力発電所は、今後は、益々増設が見込まれている。当洋上風力発電所では、第一・第二風力発電所併せて15基を設置稼働させているが、今後は、沖合へ大規模洋上風力発電所(50基)の建設を予定している。当洋上風力発電所(かみす一・二発電所)は、1年間に約5,300万kWhの電気量を発電することが出来き、一般家庭の年間使用量に換算すると約1,500世帯分の電気量になり、その発電した電気は東電を通じて近隣の一般家庭に配電されている。

バイオマス発電は循環型社会の構築を目指した地産地消の自然再生可能エネルギー

13時頃、2番目の見学施設「神乃池バイオマス発電所(エネルギー等発電設備認定取得施設)」に到着。場所は、中国木材株式会社鹿島工場内にあり、鹿島工場・会議室において鹿島工場・管理課長保田雅信氏から、中国木材工場の製材、木材合板、及び作業行程並びに廃材の活用等の説明を受けた後、バイオマス発電は、燃料を、当木材工場から排出する木屑、パレット(木枠)及び地元、神栖市・鹿島市内から排出される木質廃材、鉾田市の農業廃棄物等を使用して、燃焼処理(直接燃焼式)、発電していバイオマス発電るとの説明があつた。続いて工場見学に移り、木粉の舞い上がる中、製材棟、次にバイオマス発電施設、製材乾燥施設等を廻り見学終了。

中国木材(株)が行っている国産材利用(合板)並びに間伐、植林による自然環境保護活動、また、近隣の市等から排出された木質廃材、農作廃棄物等を引取りバイオマス発電の燃料にしていることは、森林資源の有効利用、地域の活性化等、結果的には、循環型社会を目指し、地球温暖化対策に配慮した自然再生可能エネルギー実用施設であることを改めて再認識した。

9日は、宿舎を8時30分出発、3番目の見学施設「那珂核融合研究所」に向かった。

核融合エネルギーは将来の新エネルギーとして期待されている!

見学施設「那珂核融合研究所」到着は、9時20分。概況説明室に入り量子科学技術研究開発機構那珂核融合研究所先進プラズマ実験グループリーダー大山直幸氏から当研究所の概況の説明受けた。

要約すれば、この研究所は太陽で起きている核融合反応を地上で実現しエネルギーとして利用するための研究開発を行っている。

核融合に要する燃料は、重水素、三重水素であり、その資源は殆ど無尽蔵である。また、核融合の燃えカスは、放射線半減期の短い低放射性ヘリウムであり浅土地処理が容易であることから、核融合エネルギーは、環境、安全に優れたエネルギーであること、次いで、核融合エネルギ―を作り、維持する方策として、①燃料をプラズマ状態(燃料を1億度以上に熱し、プラズマ化(エネルギーを取り出す)する。②プラズマを高温に保持する。③プラズマを磁場で閉じ込めること等。

当研究所は、核融合エネルギーの2050年頃の実用化を目指し、三本の柱からなる総合的な核融合エネルギーの研究開発を行い、世界をリードする成果と進展を遂げている。

三本の柱とは、①国際協力(日本・アメリカ・欧州・ロシヤ・インド・中国・韓国)による核融合エネルギーの科学的、技術的成立性を実証する「ITER計画(国際熱核融合エネルギー実験炉)の研究開発」。②核融合反応で燃やし続ける「核融合プラズマの研究、開発」③核融合プラズマの実現を支える「核融合炉工学技術の研究、開発」である。続いて、施設見学に移り、展示室→JT那珂核融合研究所にて-60SA(核融合炉)建屋→大型コイル(中性子を炉壁から引き離す磁場コイル)収納棟→超伝導磁石研究施設→遠距離保守装置を巡り、見学を終えた。

現在、核融合エネルギーの実用化の研究、開発進めているが、利点として、二酸化炭素の放出がなく、核分裂のような連鎖反応がなく、燃料となる水素が普遍的に存在し資源の枯渇の恐れが無いこと、また、問題点として、放射線漏れ対策、ISによるテロ対策等への適切な措置が成されれば、次世代の新エネルギーとして期待して、いのではないかと思う。

12時頃、那珂核融合研究所を後にして、茨城陶芸美術館、笠間稲荷に立ち寄り、大船には19時半頃無事帰着し解散(磯山)

鎌倉ユネスコの活動

お問い合わせ

ご入会方法

賛助法人会員

会員専用

プレス情報

Home