絵で伝えよう!わたしの町のたからもの絵画展2016

15回目の開催

公益社団法人日本ユネスコ協会連盟、人類にとってかけがえのないたからものである「世界遺産」を守り、後世に伝えていく活動と共に、次世代を担う子どもたちが身近な文化や自然、歴史など絵で伝えようわたしの町のたからもの絵画展を大切にする心を育む活動を行っています。その一環として「世界遺産も、身近なものも、未来へ引き継ぐ地域のたからもの」という考えのもとに、「絵で伝えよう!わたしの町のたからもの」絵画展を全国のユネスコ協会に呼びかけ実施してきました。
鎌倉ユネスコ協会では2000年から、この絵画展活動に参加し、今年で15回目の開催となります。2016年度の絵画展は、1月25日~29日実施。展示作品は小学生127点、中学生61点、合計188点です。

受賞作品はこちら

講 評(要旨)
審査委員長 上野公一先生
私の感想を述べますと、どの絵もこころひかれるものに、しっかりした自分の想いを相手に伝えるという良い作品ばかりでした。私は主に中学生の作品について講評させていただきます。
鎌倉市教育委員会賞を受賞した大船中の関根さんの「初詣」。細かい部分まで丁寧に描き、迫力ある画面を描いております。そういう中で迫力だけではなく心温まる信念があり、心清らかになる雰囲気が伝わって、さらに自分が人と並んでいるような雰囲気が味わえる素晴らしい絵と思います。

つぎは大船中の土屋さんの作品「朱色の鶴岡八幡宮」。力強い、しっかりした構図で、非常に迫力のある絵だと思います。迫力ばかりではなく八幡宮の心温まる部分が色合いの中に織り込まれて描かれていると思います。さらに第二中の川上さんの「静の舞の踊り人」ですが、これも舞殿の空間や動きの中に、優しさ柔らかさがしっかり表現されていると思います。
鎌倉女学院の大井さんの「このさきは・・・」は佐助稲荷ですね。
見る側にとって、この先はどうなっているのだろうかなという興味をそそります。大井さんにも、そういう気持ちがあったのだと思います。最後は鎌倉女学院の小林さんの「大船観音」です。観音様が中央に力強い構図で描かれていますが、観音様の美しさ、柔らかさ、何よりも“やさしさ”が、表現できていると思います。

審査委員 岸本愛子先生
この絵画展は、15回目になりました。作品の中から選んで審査するのは大変ですが、皆さんが心を込めて描いた大切な「たからもの」ですから、審査をする側も心を込めて1枚1枚丁寧に見させて頂きました。
小学生は夏休みの宿題で描くことが多いですから同じ題材やテーマで描くことが多く、でもみんな個性があって絵は1枚1枚違いますね。応募してきた作品は、技能や技術も見ますが、それよりも皆さんの心、気持ち、その人らしさが、にじみ出ているかという「たからもの」の思いを大きなポイントとして選ばせて頂きました。
小学生の絵について、コメントさせていただきます。まず鎌倉市長賞に輝く深沢小の山崎さんの作品「つるが岡八幡宮」。色の鮮やかさが心に響きます。朱色とみどりとグレーの配分が絶妙です。手前に前殿を描き、大石段の向うに小さく本宮を描き、遠近法を使った距離間のしっかりした絵だと思います。次に日本ユネスコ協会連盟会長賞の稲村ケ崎小の阿部さんの作品「かまくらだいすき」。鎌倉大好きの気持ちがとてもあらわれている作品で、画面いっぱいに自由に、のびのび描けています。笑顔の大仏様が良いですね。色もたくさん使い、とても可愛い絵になっています。次に鎌倉ユネスコ協会会長賞の御成小の平木さん、「坂の下の面かけ行列」。坂の下の御霊神社で昔から行われている行事です。どのお面も表情が豊かに描かれており、それぞれのお面は見ていると、行列の動きが、こちらまで伝わってくるようです。
さて優秀賞では深沢小の関さんの「自然の中の大仏」。まわりの山々の緑の色づかい、周りの風景とのバランスを保つ、大仏様に影を入れ方も良いですね。大仏様の表情はなにを考えていらっしゃるのか?知りたくなります。
次に植木小の柳川さんの「自然の中の文学館」。主役である文学館の形や色の特徴をよくとらえています。きれいにまとめ、存在感を出しております。手前の左右の木と花を描くことで、絵に華やかさが加わっただけでなく、より建物の効果を引き出すことに成功。次に大船小の高瀬さんの「ゆうめいなおおふなかんのん」という作品。線に迷いがなくのびのびと力強く描かれています。鋭く観音さまを自分なりにとらえて、素直に表現しています。次に深沢小の沢辺さんの「ひまわり畑」。のびのびととても素直に描けています。青い空、白い雲の下で黄色い大きな花を咲かせた向日葵、黄色の色がとてもきれいですね。夏の日射しとさわやかな風が感じられる絵になっております。次に深沢小の本阿弥さんの「クワガタ」。木にしがみつきながら、今にも動き出しそうですね。大好きなクワガタをよく観察しながら主役のクワガタだけでなく木や背景にも工夫して、雰囲気のある作品になりました。以上で小学生の作品の講評を終わりますが本当に素敵な作品をありがとうございました。皆さんの温かいやさしい心を見させていただきました。絵を描くことにより心が豊かになり絵を見せてもらう人たちも心を動かされます。

審査委員 磯田妃芳先生
会場に飾られた受賞作品を前に、初めての試みとして国際的に活躍しておられる画家の立場から受賞者一人ひとりに直接インタビューしていただきました。インタビューを受ける生徒さんたちは緊張と不慣れもあって小さな声での応答でしたが、絵の立体感を出すためのアドバイスなどに、頬を紅潮して大きくうなづく姿が印象的でした。(鴇澤)

2017年1月25日~29日
鎌倉生涯学習センター
ギャラリーA・B
主催  鎌倉ユネスコ協会
後援 公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟 鎌倉市
鎌倉市教育委員会
審査委員長 上野 公一先生
委員 岸本 愛子先生
委員 磯田 妃芳先生

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