鎌倉地区2016年度ESDパスポート活動発表会

横浜国立大学附属鎌倉中学校と同附属鎌倉小学校の2校が発表

日本ユネスコ協会連盟は、学習指導要領や教育振興基本計画に述べられた「持続可能な社会の構築に向けた教育の理念」の重要性に鑑み、学校教育が取り組んでいる「持続可能な開発のための教育(ESD)」との相乗効果を高めるために、ユネスコ協会が児童・生徒のESDに関するボランティア体験活動を促進する「ユネスコ協会ESDパスポート」事業を実施しています。具体的には、地域のESDの推進拠点と位置付けされているユネスコスクールの生徒にESDパスポートを手渡して、その生徒がボランティア活動に参加する都度、パスポートに認定単位を証明し、その単位が基準に達するとユネスコ協会が「活動認定証」を発行します。

2月28日、鎌倉地区ESDパスポート活動2016年度発表会を、鎌倉生涯学習センターで開催し、今年度も鎌倉地区のユネスコスクールである横浜国立大学附属鎌倉中学校と同附属鎌倉小学校の2校の生徒代表が元気一杯、それぞれのESDパスポート活動の実績について発表してくれました。

それらの発表に先立ち、石田理事長からの発表会趣旨説明に続けて、ご来賓の安良岡靖史鎌倉市教育長が子ども達の自主的なESD活動への大いなる期待を述べられ、また両校が付属している横浜国立大学にて横浜地区のESD活動を推進されておられる小池治大学院教授から生徒達への温かい激励のメッセージが送られました。

附属鎌倉中のESDパスポート活動

最初に、附属鎌倉中学校のESD活動を指導されている本間ESDパスポート活動発表会洋一郎教諭から、同校の教育目標「夢・心・力」を踏まえて、国語、社会、数学、理科、等各教科と関連づけて作成しているユネスコスクール全体計画にあって、ESD活動重点目標は、『夢』〔持続可能な社会の実現を目指す姿勢〕、『心』〔互いの立場を尊重する姿勢〕、『力』〔諸問題の解決に向けて主体的に行動する実践力〕です、との説明があって後に、3人の生徒(2年2名、1年1名)が、科学部並びに「帰国生の会」のESDパスポート活動について以下の発表をしました。

科学部は、ビーチコーミング体験並びに、横浜サイエンスフロンティア高校や横浜国立大学との合同による「海洋に於けるマイクロプラスチックの生態系への影響」「ハチジョウススキから受ける相模湾周辺のススキの形質への影響」についての共同研究を行った。

海外生活を体験した帰国子女を積極的に受け入れている同校特有の「帰国生の会」は、国際理解の実践の場として、「海外生活体験発表会」「日本の伝統文化体験」「外国からの観光客にインタビュー」「卒業生による帰国生の進路学習」など、帰国子女ならではの活動をした。

附属鎌倉小のESDパスポート活動

附属鎌倉小学校からは、4人の生徒(6年1名、5年3名)がユネスコESDパスポート活動発表会委員会の活動について、並びに4人の生徒(4年4名)が「生ゴミを減らす取組みのPR」のための活動についてそれぞれ発表しました。

ユネスコ委員会は、ペットボトルのキャップを集める事で資源リサイクルに関心を持つ取組み、並びに校庭の水の濾過機が壊れて汚れていた“ひょうたん”池を、清掃し、水を入れ替えてビオトープのモデルとして作り直す取組みを行なった。ビオトープとは、直訳すれば、生物生息空間。田圃や池などで動植物が安定して生息できる環境の状態であり、校庭の池を持続的に汚さずに維持して行くのは、これからの努力にかかっています。

「生ゴミを減らす取組みのPR」としては、家庭や学校給食という生徒の日常生活の中で発生する生ごみを減らそうというテーマで、生徒たちが自ら出演するドラマに仕ESDパスポート活動発表会立てたビデオ映像を作成して上映した。今まで無意識に捨てていたゴミや、食べ残しに目を向けるように意識を変えていくという筋立てで、食品ロス問題の要点を押さえていて、素晴らしい作品になっていました。

両校以外にもこのように有意義なESDパスポート活動の輪が広がるように、鎌倉地区の学校に対してユネスコスクールへの加盟をもっと働きかけていかねばならない、と改めて思いました。(本岡)

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