ペルー便り

ワラス特産発酵食トコシュ

アンデスの山々が見えるワラスでは、月曜日と木曜日に現地らしさが強く漂う朝市が立つ。 そこで、我々が必ずすることといえば「トコシュ」を食べて、かつ、タッパに入れてもらい家に持ってかえることだ。アンデスでは大量にとれるジャガイモを長期貯蔵するため、いろいろな知恵を絞って保存食をはぐくんできた。そのひとつがトコシュである。
どうやって作るのか。地面に穴を掘り川から流水を引き入れ、ワラで覆ったジャガイモを水にさらし、水に流されないようにその上に石を置き、短くて1ヶ月長くて1年間そのままにしておく。すると、自然に発酵していくのだ。頃合いを見てジャガイモを取り出し、砂糖と煮て、日本でいう葛湯のようにして食べるのが一般的。
現地の人々は「これは自然のペニシリンが大量に含まれているのよ、毎日食べていたら病気にならないわ」と言って、どんぶりにたっぷり入っているトコシュをペロリと食べてしまう。
トコシュは免疫力を高め、抗菌作用があり、胃腸を整え、呼吸器感染症を防ぎ、 出産後に食べると体力の回復が早いなど、たくさんの効用があると言われている。日本と比べるとペルーには発酵食が少なく、トコシュは食材の中でも珍しい存在だが、インカ時代から「神からの贈り物」としてお薬として使用されていたようだ。体調を維持してくれるトコシュが身近にある有難みを強く感じている。
2018年が皆様にとって健康な年でありますように。明けましておめでとうございます!
(太田 清可)

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