ユネスコ活動研究長野大会(2002中部東ブロック)報告

基調講演は「世界遺産のめざすもの」

長野大会は、10月19日・20日 にホテル国際21長野に於いて開催さ れた。 出席した会員は154名。鎌倉 ユネスコからは8名である。 基調講演は「世界遺産のめざすもの」 と題し鈴木博之氏(東京大学大学院工 学系教授)がおこなった。 主旨は世界 遺産条約とは次世代に何を残すかが、 問われているものである。世界遺産に 認定されると、結果的には観光化と日 常生活に対するバランスを常に考える 必要がある。特にバッファゾーン(緩 衝地帯)にはいろいろ規制を受ける可能性がある。 鈴木教授の考えでは、世界遺産は世界的な格付けでもなく、世 界統一標準にあわせるものでもない。 各国の独自な遺産を独自な視点で、選 定しても良いと考えていると結んだ。ユネスコ活動研究大会

この基調講演に基づいて第一分科会 「世界遺産に登録される意義地域 ユネスコ活動との関係や影響は 」 と題して、事例報告は日光ユネスコ協 会会長の高橋正夫氏が行ない、日光の 世界遺産登録後の諸問題を説明した。 排気ガス、並木の枯れる問題、コア ゾーンの規制、文化遺産の後継者養成 の問題など。 助言者から白川郷のプラ イバシイの問題などが報告された。 特にこのブロック大会出席者の中には「長野の善光寺」「松本城」それに「富士山」を世界遺産に登録したいと願っているグループが参加しており、討論は非常に活発であった。

鎌倉から参加した伊東正博理事は、鎌倉の現状、中世土木の技術を中心とする城郭都市鎌倉城の調査結果を学ぶことと、「危機に瀕する世界遺産」に対する寄付をおこなっていることを報告した。 第二分科会は「世界寺子屋運動の今後の課題とその具体策を考えよう書き損じハガキ収集やスタディツアー 等の効果的な展開方法は 」と題して、事例発表は清水ユネスコ協会、忍野ユネスコ協会がおこない、助言者として鎌倉ユ協の山田雅子理事がおこなった。 その他、第一日目の「日本ユネスコ国内委員会からの報告」では、国内委員の鴇澤武彦理事がおこなった。主旨は、パリのユネスコ本部の事業方針と日本の国内委員会の事業が一致しており、その中で特異な存在である普及活動小委員会の役割を説明した。(鴇澤)

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