鎌倉ユネスコ協会新年会

平山郁夫会長がご出席

2003年1月26日(日)午後6時より鎌倉プリンスホテルに於いて、新年会が行なわれました。 全国的に猛威を振っている「流感」もどこ吹く風。総勢82名が参加。鎌倉ユネスコ新年会

ご来賓として、鎌倉市より、石渡德一市長、熊代德彦教育長、国際ソロプチミスト鎌倉代表のお三方のご出席を戴きました。

森井理事長より、平山郁夫会長へ、いま最も力をいれていらっしゃるアフガニスタン文化財保全の資金として財団法人・文化財保護振興財団へ寄付100万円の目録を贈呈。 この財源は、平山会長がお描きになった「日本の中の世界遺産」6点の作品を原画として、鎌倉ユネスコ協会が絵はがきを制作発行したものを、本会会員をはじめ、全国のユネスコ協会、会長のご関係の美術館などのご協力を戴いて販売、収益を得たもの。

平山郁夫会長ご挨拶(要旨)

一昨年から高句麗古墳を世界遺産に登録するための活動をしております。

いま日本と北朝鮮とは政治的には断絶の状態ですが、文化の面では順調に行けば、6月に中国で開催される世界遺産委員会において高句麗古墳は登録予定です。

これが実現し、北朝鮮の人々は世界に誇る遺産として登録されれば、少しはおおらかになって国際社会にソフトランディングできるのではなかろうかと願っております。

私はいつ、いかなる時でも、人類の文化遺産を政治と混同しないで守っていくことは重要だと思っています。

太平洋戦争のとき、奈良・京都は人類の文化遺産として爆撃を免れました。残すように提言したのは昨年の西安のシンポジウムにも出席していた建造物の権威のラという中国の先生でした。

いまイラクへの侵攻作戦が展開されておりますが、ユネスコは文化遺産の地点には絶対に攻撃しないように米軍の作戦本部に依頼しております。

昨年5月にアフガニスタン文化支援セミナーに出席し、23年にわたるアフガニスタンの惨状を見てきました。

5百万人の難民、百万人の戦争未亡人、それに近い戦争孤児。20歳前後の若者は学校教育を受けていませんが、複雑な兵器の操作には習熟しております。

人を殺すことを生業として育ち、もめればすぐ発砲するという中で育っています。これをどう着地させるのか、問題は山積みです。地方に行きますと戦車や兵器の残骸が道の両側にあります。石ころに赤ペンキを塗ったのがゴロゴロしております。聞くと地雷の場所といいます。

200キロ近く走りましたが、まだ整理されておりません。 8月に国連からバーミヤンに行ってくれといわれ、千人分の文房具を持っていったのですが、輸送費の方が高くつきました。

現地では椅子と机を用意しました。小中高へ、先生がチェックして配り、難民高等弁務官事務所からも人が来て分配しました。ここではモノを分配すること、特に食料など配給することの難しさを学びました。

カブール美術館、芸術大学の再建を手伝うということで、文化庁が調査をおこない、1月末にも行きます。日本ユネスコ協会連盟では、カブールに拠点をつくり、年末から識字教室を作る準備を整えています。

特に、鎌倉ユネスコは識字運動や募金に熱心で、10年以上続けています。 皆さま一人でも多く平和のために、貢献する活動をされることをお願いしてご挨拶といたします。(文責 鴇澤)

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