記念講演会:テーマ「鎌倉の自然~谷と野鳥~」

講師:鎌倉自主探鳥会代表岩田晴夫氏

今日5月10日から一週間は「愛鳥週間(バードウィーク)」。世界では約9000種の鳥がいる。
まず渡り類別で分ける。記念講演
「留鳥(りゅうちょう)」とは鎌倉中心に一年中、生息する鳥。
「夏鳥(なつどり)」は春に渡来してくる鳥で、代表的な鳥はツバメ。
「冬鳥」は秋、渡来して越冬する鳥で代表格はガンやカモなど。
「旅鳥」は春秋の渡りの時期に日本を通過する鳥で、代表的な鳥はシギ。
「迷鳥」は台風などで普段は縁のない鳥が迷ってくるのを指す。

日本では約555種の野鳥がいて、神奈川県では約350種、鎌倉では225種となっている。 鎌倉では留鳥が少なく、冬鳥が多いのが特徴。 多様な谷戸環境を利用して、冬鳥が越冬している一方、まとまった繁殖環境が乏しいためか、繁殖種が少ない。 鎌倉は、地理的に三浦半島の付根に位置し、湘南と武蔵野の要素を持つ。海に面しているため、気候は温暖で、小河川が多い。東に標高150m程度の丘陵が続き、西は比較的平坦である。 鎌倉は、全国で唯一、市全域が鳥獣保護区に指定されている 。
具体的な鳥の話に入り、ウグイスは保護色のため褐色で、「ホーホケキョ」とさえずる。最近は「ホーホケチョ」が目立つ。雌は「チャッチャッ」という笹鳴きだけで、さえずりはしない。 ツバメの巣が最近減っている。原因は最近の人間の住宅が巣作りに不向きなことと巣材の良い粘土がないこと。 鳥には歯が無く、餌を丸呑みする。フクロウが消化できずに吐き出した物にタイワンリスの骨が見られる。鎌倉のフクロウは飽和状態にある。 キツツキは鎌倉では3種。アオゲラとコゲラが普通に見られる。樹林が放置され、枯れ木等が増えたため、キツツキ類が増えたと考えられる。 コジュケイが家族愛は強くて藪の中を連れ立ってがさがさ歩く。鳴き声は「チョトコイ チョトコイ」。大正10年ごろ中国から移入されている。 最近はトビが話題になっている。餌付けにより学習したトビが、海岸などで人間の食べ物を狙う。トビが餌を落とすと、カラスが掻っ攫っていく。 カラス対策では、ごみを上手に捨てると、カラスのごみをあさる習性は、今の世代から次の世代に文化として伝わらない。カラスの移動は高圧線に沿って動くという面白い話も聞いた。 身近な鎌倉の自然の話の連続で楽しい講演であった。

 

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