全国高校ユネスコ研究大会

鎌倉の世界遺産登録の状況など

今年の高校ユネスコ研究大会は8月7日~10日、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて開か全国高校ユネスコ研究大会れた。

参加者は全国から集まった210名

。8つの分科会のうち「世界遺産分科会」のメンバーが鎌倉を訪れた。

鎌ユ協会員蓮見朱加さんはこの大会運営・企画に1月から携わり、当日も元気に参加。


当日講師役を務めてくださった鎌倉市教育委員会の玉林氏の寄稿文

-全国高校ユネスコ研究大会に参加して-

鎌倉市教育委員会 世界遺産登録推進担当 担当係長 玉林 美男

平成15年8月8日、全国高校ユネスコ研究大会の参加者19名を鎌倉に迎え、鎌倉の世界遺産登録の状況や課題等を現地を案内しながら共に考える機会に恵まれました。当日は台風10号の余波で午前中雨が降りましたが、あまり暑くもならず、無事行程を終えることができました。
参加者はまず鶴岡八幡宮で正式参拝をすませ、直会殿で池田禰宜から神社が町の中心にある政治都市は非常に珍しいという話などをお聞きしました。その後、国指定重要文化財鶴岡八幡宮上宮の屋根などの修理状況を見学しました。
ここでは文化財の修理が綿密な調査結果に基づき、伝統的な工法によって行われていることを実際の現場や工具・材料などによって見ることができました。銅の屋根金具などは江戸時代のものは品質が良く、丈夫に造られていることから今回の修理でも再利用が可能ですが、大正大震災後の修理の銅製品は銅板が薄く、再利用が難しいなど、伝統的技術の高さや当時の考え方の合理性などを教えて頂きました。
その後、御谷・亀ヶ谷坂・仮粧坂を巡って、葛原ヶ岡の大堀割に行きました。普段なれない坂道をいくつも上がり下がりして、鎌倉の周囲を取り巻く険しい山やそこを通る切通道の持つ要害性などについては理解してくれたのではないかと思います。
銭洗弁天では周囲の山裾が人工的に切り取られて平場が造られ、やぐらが掘られている状況を見学しました。さらに大仏様にお参りし、13・4世紀では世界最大のブロンズ像であること、発掘調査で確認された大仏殿が正面44メートル余りの大きさがあり、大仏鋳造の過程で型を押さえるため、鋳型の周りに土を盛り上げていることなどを話し、見学を終了しました。
翌日、国立オリンピック記念青少年センターでの分科会では、スライドを用いて鎌倉時代をはじめとする中世という時代が現代日本の直接的な文化的源流であり、鎌倉はその遺産を良く残していること、鎌倉の歴史的遺産は市民が長い間かかって保全してきたこと平和と歴史的遺産・自然環境の保全を謳っている「鎌倉市民憲章」を具体化する方策として鎌倉市では世界遺産登録を目指していることなどの話をしました。
その後、高校生達の話し合いに入りましたが、どのようにまとめられたかは分かりません。しかし、「鎌倉に於ける世界遺産の意義」や「世界遺産周知の方法」など、沢山の話題が出ていました。高校生達が各地の視点でよく観察していたことが印象に残りました。

鎌倉ユネスコの活動

お問い合わせ

ご入会方法

賛助法人会員

会員専用

プレス情報

Home