鎌倉市文化遺産学習会
~建長寺~
昨年11月30日(日)、前日から雨が降ったり止んだりの肌寒い日でしたが、28名が参加。鎌倉市教育委員会の学芸員・玉林美男氏の案内で、仏法寺跡発掘調査の結果の説明を聞き、その後鎌倉国宝館と建長寺を見学しました。
出土品が伝えること・・・
生涯学習センターの会場には、平成14年度に行れた「仏法寺跡発掘調査」の概要を示す写真や図面がたくさん展示されていました。
前回見学した発掘現場の記憶を重ねて見ると、このあたり一帯の全体像を知ることができました。
それにしても霊山山(りょうぜんさん)とはいつ誰が付けたのでしょう。
出土品としては、板碑 五輪塔 須恵器 甕など。また雨乞い伝承のある池跡からも、写経の木片や火葬骨がたくさん発見されました。
元弘の乱では激しい戦いの場でもあったいうことで、霊山山の名前の由来が偲ばれます。
鎌倉国宝館では特別展
建長寺創建750年を記念して、特別展があり、各寺から貴重な文化財が出展されていました。建長寺開山の蘭渓道隆像 北条時頼坐像 長谷川等伯筆の猿猴竹林図など。
かつて教科書や他の書物で見覚えがあるような作品に触れて、大変懐かしく思いました。羅漢像は親しみのあるお姿でした。
建長寺の歴史を再認識
私はこの寺を何度も訪れていますが今回は玉林氏の説明を聞いて、たくさんのことを知ることができました。総門 三門 仏殿 法塔が一直線に並ぶ伽藍配置は、中国宋時代の寺を模したもので、日本では珍しいそうです。三門の楼上には五百羅漢が安置されているとか。
思わず見上げて手を合わせたくなりました。仏殿の前にある7本の柏槇は750年の歳月を生き抜いてきたもので、わが国最古のものかもしれません。そうだったら嬉しいですね。生命力を分けてもらえそうです。最後に方丈の裏の庭園を拝観し
新たに造園されたばかりで樹木や芝生は落ち着かない感じですが、春には美しい緑に芽吹いてくれることでしょう。
数年後の清閑な禅庭を想像しながら方丈の外に出て解散となりました。古から人々の営みがあり、中世には武家政治や仏教文化の発信地であった鎌倉では樹木1本 建物の柱一つ 瓦一枚にも先人たちの魂が籠っています。
これらの文化遺産を大切に次世代につないでいきたいと強く思いました。