和賀江嶋築港遺跡とその周辺を学ぶ
~鎌倉ユネスコ文化遺産講座~
今回は、和賀江嶋の歴史及び、その世界遺産候補としての学術的意義を学ぶべく、9月23日(日)きらら鎌倉に於いて、郷土史研究家の小松原利一先生と鎌倉市教育委員会文化財課の玉林美男先生にお話をいただいた。
講師小松原利一氏
和賀江嶋に関しては石積みを復活・保全するよう材木座町内会で市や県に働きかけている。
鎌倉幕府の寺社建造や商業の発展により物資搬入の必要性が増し、執権北条泰時のとき、勧進僧の往阿弥陀仏が筑前での船着場築造の経験に基づき築港を願い出、幕府も一体となってわずか3週間位で築堤が完成したという。鎌倉幕府滅亡後も港湾機能は維持され、江戸時代には鎌倉八幡宮寺改修資材陸揚げや漁港にも使われた。
講師玉林美男氏
世界遺産は平和への架け橋であり、世界平和を実現するツールでもある。ユネスコ憲章前文の精神は鎌倉市の平和都市宣言の主旨にも通じる。
和賀江嶋は我が国の現存する最古の築港遺跡であり、沿岸海上交通の拠点として作られたことに意義があり、国指定史跡にされており遺構の広がり部分も追加指定されている。
現状は幾度かの災害の復興と、石の搬出による毀損との混在した状態であり、波で動いた石を戻すことと海岸清掃が史跡の保全・管理につながる。 (丸山)