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識字運動支援先 アンデス山麓の子供たちと本当の交流スタート

片道8キロの山道を歩いてでも学校で学びたい子どもたちがいて、それを応援する家族やボランティアがいる。校舎さえあれば政府は教師を派遣するという。
場所はペルーの世界遺産ワスカラン国立公園の域内。先住民ケチュアの人びとが住む僻地。ならば応援しましょうヨとなり、鎌ユ協は1998年から同地内3つの村・ケロコチャ、タンビージョ、シラパタに学校を建てたり老朽化した学校修復の支援活動をスタートした。

すべてが手づくりの直接支援だった

現地調査、開校式参加、教材かついでのスタディツアーは、1998年から2005年の間に4回に及んだ。事前に支援教材のニーズを現地に問い、定番のエンピツ、ノートのほか、顕微鏡・地球儀・サッカーボー識字運動支援先ルなどの希望品は鎌倉市内の小・中学校にも献品をお願いし、ダンボール30個以上の支援品送り出しには市内中学生たちのボランティアでの協力をいただくシーンもあった。
ツアーの都度、現地で待ち受け案内してくださったのは、当時、ワスカラン国立公園内6か所の管理事務所を統括するレネ・ヴァレンシア教授と、リマ在住日系大学生・太田清可さんだった。
ところで鎌倉ユ協が毎年実施している小・中学生対象「わたしの町のたからもの絵画展」に、これまで支援してきた海外の児童から協賛出品を-の声が上がった。
最後のスタディツアーから既に8年が経過。レネ教授はリタイアと聞いている。清可さんは今、エコツアーのリーダーとなってリマで活躍中(本誌に毎号“ペルー便り”を寄稿)。
なんとかこのお二人の協力を得られないかと、山田ミヤ子理事が清可さんに打診したのが昨春のこと。

嬉しいことにレネ教授は現在もワスカラン国立公園環境教育サブプログラム担当と判明。識字運動支援先にて

現地学校の先生方への仲介役を担ってくださり、3つの学校はそれぞれ「私の村の宝もの」をテーマに全学絵画コンテストを実施.。各校から1位と2位の入賞作品6点が届いた。
レネさんからは「アンデス地帯にある3つの学校の生徒たちは、この絵画展を通して、自然保護の意識と知識が一層高まったと思います。

自然保護地区に住む子どもたちに、このようなきっかけを与え、貴重な経験をさせていただき感謝しています。これからの子どもたちのためにも続けたいですね」のメッセージが届いている。
日本から飛行機と車を乗り継いで29時間かけて到着するワスカラン。

6000メートル級のアンデス山脈の麓で学ぶこどもたちの熱い想いのこもった絵画は、昨年末、5日間、きらら鎌倉地下ギャラリーで日本の子らの絵とともに市民に公開された。
私たちがいつも心がけてきた「顔と顔のみえる支援―Co-Actionの精神で」から、今、本来の国際交流が未来世代に向けてスタートした。
迎春と併せ「オメデトウ!」の乾杯を両国の人びとと交わしたい。        (尾花珠樹)
写真上はレネ教授と筆者1998年。下は鎌倉の支援で建ったシラパタ小学校を背に、入賞作品を掲げる生徒と教師。

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