ユネスコサロン「アジアユースオーケストラの魅力」

講師:AYO日本事務局長 佐藤 劭氏

3月3日(日)14時よりカトリック雪ノ下教会でサロンは開かれた。冒頭から2010年9月1日放送のNHK番組「アジアクロスロード」をスクリーンに映写、アジアユースオーケストラ(AYO)の活躍を出席者に把握ユネスコサロンAYOの魅力してもらった。参加者50名。

講師の佐藤劭氏は1937年生まれ、東京都目黒区出身、三井信託銀行勤務を経て2004年AYO日本事務局長に就任したことを紹介して講演は始まった。2000年香港でAYO創設者のパンチャス氏に出会ったこと。2003年秋からロバートライカー氏に代わって日本事務局長を引き受ける話が進んだことを述べられた。

今年は日本では、大阪NHKホール、鎌倉芸術館、東京オペラシティホールでの2回公演で計4回。オーディションはアジア各地で1~3月に行っているが、日本は3月16日東京、17日大阪で、15日には鎌倉ジュニアオーケストラの演奏する「ウイリアム・テル序曲」を、パンチャス氏が初めてワークショップを行うことなど語られた。

ここでサプライズ。元AYOで活躍した藤美智子さんがフルートを持って、伴奏の吉田彩さんと長瀬ゆりさんの演奏登場、コーベールのファンタジーとアンコールに応えてサンサースの白鳥を演奏、喝采を浴びた。

思い出として、最後の演奏では弦楽器の人は涙を流しながら演奏したが、フルートを吹く私は苦しかったと話してくれた。

ティタイムを終えて、湘南国際交流会の長瀬ゆりさんが「ホームスティ」について語り、鎌倉ジュニアオーケストラの高橋尚美さんがワークショップについて熱く語った。最後に昨年の9月6日放送のNHK番組「ほっと@アジア」を見てサロンを閉じたが被災地、東北の荒浜でヴァイオリニストが「故郷」を演奏した映像は深い感銘を与えた。    (鴇澤)

アジアユースオーケストラのパンチャス氏を迎えて

~佐藤美智子会長と:リチャード・パンチャス氏の一問一答~

今夏8月28日のAYO鎌倉公演を控え、準備のために2月7日来鎌したAYO 芸術監督R.パンチャスさんを囲み佐藤美智子鎌ユ会長ほかとの交歓会が市内グリルで開かれた。世界的ヴァイオリニスト・ユーディ・メニューインと2人で23年前にAYOを創立したパンチャスさんと、戦後間もなく初来日したメニューインの佐藤会長とパンチャス氏日比谷公会堂での演奏会に高校生ながら静岡から駆け付けたという佐藤会長との歓談は尽きることなく、以下はその夜の一問一答。

Q:佐藤美智子会長 A:リチャード・パンチャス氏

Q 世界で最も優れたユースオーケストラと絶賛されているAYO第1回公演は1990年ですね。

A ええ。8か国から98人参加で台北、シンガポール、香港、東京に加え当時の細川県知事の強い要請で熊本が加わり5都市での公演でした。

Q それから四半世紀近く経てアジアの音楽環境の変化は?

第1回の時はその前年に天安門事件があったために中国本土からの参加はありませんでしたけど、その後の中国の変化は目覚ましく、昨年は全楽団員の30%が中国から。

Q その背景は何なのでしょう?

A 経済発展に加えて若者の競争心・ハングリー精神が旺盛ですし、何と言っても中国の人口はヒトケタ多い(笑)。

Q パンチャスさんは中国語に加えて日本語もご堪能と伺ってますが、日本との関係、そして日本の音楽環境などお聞かせください。

A 私は1962年から2年間、東京のインターナショナル・スクールで教えていました。AYO発足の頃に較べ日本の団員が減少傾向にあるのは(注・昨年は13人)、若者が音楽家を目指すにはプロとして生計を立てる環境が十分でないことにあると考えます。

Q 今夏の鎌倉公演で指揮していただく鎌倉芸術館の大ホールはいかがでしたか?

A 音響効果も含めて素晴らしく、鎌倉市民は幸せだなと感じました。これからアジア各地で団員オーディションに入りますけど、日本からもたくさんの参加を期待しています。  (文責・尾花)

AYO芸術監督パンチャス氏の 人間味あふれた音楽指導!

~鎌倉ジュニアオーケストラ(KJO)の小・中・高校生を対象に~

3月15日ヤマハミュージックアベニュー藤沢にて、AYOパンチャス氏による世界初パンチャス氏の指導となる子どもへのワークショップが行われた。対象は、鎌倉ジュニアオーケストラ(KJO)の小・中・高校生約70人。曲は「ウィリアム・テル序曲」。一人ひとりの音の問題点を穏やかに指摘しくり返させ、「よくなった!素晴らしい!」と励ます。「僕は今69歳だけど君たちは16歳?もっと力強く!」とユーモアを交えながら語りかける。
指摘されたことを素直に吸収する彼らの音色の変化には目を見張った。パンチャス氏は「自分の音は自分の責任で完成させ、隣の人、パート、そして全体で完成させていく。それが心の通じ合う音楽のコミュニケーションなんだよ」と締めくくり、最後は子ども達が感謝の気持をこめて「KJOマーチ」を演奏した。
このワークショップは、8月に行われる鎌倉芸術館でのAYO鎌倉公演に先立ち、パンチャスKJOの生徒氏がKJOの田辺先生や当協会の佐藤会長と歓談した折、「未来を担う子どもたちに夢と希望と豊かな感性を与えたい」との思いが一致したことから実現。厳しくも温かく熱血指導してくださったパンチャス氏とサポートされたKJO保護者に心から感謝しつつ。 (田村)

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