ペルー便り
~リマからアンデスのワラスへ~
ペルーの首都リマをキーワードでまとめると、「人口増加」「交通渋滞」「美味しい料理」である。ペルーの人口の3割(約1000万人)がリマに住んでおり、ここ数年ビル建築が増えている。人口の増加とともに増えるのが、車の数。地下鉄がないリマでは約23万台のタクシーが走っている。しかし大きな都市である利点として海・山・熱帯雨林の様々な場所から食材が届くため、バリエーション豊富でおいしい料理が食べられる。
料理が美味しくて車が多いコンクリート砂漠のリマから、万年雪をまとったアンデスの白き山々が見える町ワラスへ、今年の4月に引っ越した。時間がゆっくりと進み、アンデスの人々の温かさにあふれ、車で少し走れば、山々がド~ンと見え、自然観察やトレッキング、登山などができる大自然に囲まれている場所。
ワラスはペルー中部に位置しており、アンデス山脈の5000m級6000m級の山々と自然が保護されているワスカラン国立公園のすぐ近くにある。日本の最高峰富士山の1.8倍の高さを持ち、ペルーの最高峰であると同時に熱帯地域における世界最高峰でもあるワスカラン山(標高6768m)を町から眺めることもできる。この魅力的な山々と自然に憧れて、乾期の時期(5月~9月)には世界各国から足を運ぶ人が絶えない。
ワスカラン国立公園の見どころは自然だけでなく、歴史的な面にも及んでいる。今から約3千年前のチャビン文化はワラス付近を中心に栄えた。インカ帝国より2000年も前に作られた立派な石積み、独特な石彫刻、迷路のような地下トンネルなど、見る者を圧倒する。大自然と歴史が残っている新天地ワラスに住み、現地ならではの情報を発信し、日本の方々を中心に素敵な体験をしていただけるよう活動中!読者のみなさま、お待ちしております!
ワスカラン国立公園と言えば作年、鎌倉ユネスコ協会主催「絵で伝えよう!私の町のたからもの」の絵画展にこの国立公園内の3つの学校の子どもたちが特別展示として参加した。「日本」という国名を聞いたことがなく、世界地図を見てもどこにあるかもわからなかった子どもたちは、この絵画展を通じて日本を知り、刺激を受けるきっかけとなった。 (太田)