鎌倉ジュニアオーケストラをパンチャス氏が指導
~アジアユースオーケストラ指揮者リチャード・.パンチャス氏~
「未来を担う子供達に夢と希望と豊かな感性を与える場をつくりたい」との思いで実現した3月15日のAYO芸術監督・パンチャス氏による鎌倉ジュニアオーケストラ(KJO)へのワークショップは小中高校生の団員に思いがけない影響を与えています。KJO保護者会の永田久美子代表から伺った団員・保護者・トレーナー・田辺四郎代表の感想を紹介します。
パンチャス先生の印象:
・ジョークが面白くて笑ったおかげで、それまでの緊張が薄れて助かりました(小6女)
・注意された事がきちんとできた時に、「ブラボ-!」と云って満面の笑顔で褒めて貰い嬉しかった(中2女)
・先生は音楽を体で表現していたので、私たちも全身を使って、それに応えようとしました。それが自然にできたので、先生は凄い人だと思いました(高1女)
印象に残った先生の言葉:
・「言葉は世界共通ではないけれど音楽は世界共通」という言葉がとても印象的(小6女)
・「ベリーベリーグッド!マッチベター、ブラボ-!」(中1女)
・「オーケストラでは一人ひとりの責任が重く、その一人が周囲の人に良くも悪くも影響を及ぼす」という言葉から、自分も自分の責任を果たさなければと思いました。(中1女、他の多くの団員)
・「みんな田辺先生が指揮者でよかったですね。田辺先生がKJOという場をつくってくれたことに感謝してこれからもがんばって下さい」(中3女子)
先生と接して感じたこと:
・話していたのは英語だったけど、伝えたかった気持ちは何となくわかりました(小4女)
・世界で活躍している指揮者が教えてくれるなんて本当に幸運でした。この経験を生かしてこれからもがんばっていきたいと思います(小6女)
・最初のチューニングをものすごく丁寧にやってくれて、世界で活躍する人はチューニングから違うんだと感じました。(小6女)
・世界の人と一緒に音楽をすることは世界の人と心を伝えあうチャンスだとわかった(中3女)
・とっさの一言を英語で返せず悔しかった。英語や音楽の勉強について凄い刺激を得た2時間でした。がんばります(高1男)
・僕達は普通の小中高生なのに凄い経験をさせて貰ったと思いました。有難うございます(高1男)
・こんな貴重な経験をさせていただいて、パンチャス先生と実現して下さった関係者の皆さんに本当に感謝しています(高2女)
保護者・トレーナーの感想:
・音の問題点の指摘は厳しく、できるまで何度もやらせ、できた時に褒める教え方は見事でした。子供がみるみる変わる瞬間に立ち会えて感激しました(保護者)
・最初のチェロのソロで、先生に指導を受けた団員は、チェロの持ち方、姿勢、音色が明らかに変わったと思います。(トレーナー)
・「オーケストラは一人ひとりの責任が重く、その一人が良くも悪くも影響を及ぼす」との先生の言葉は、団員のあり方を指摘しているだけでなく、社会的人間としてのあり方にも言及しているのでしょう。(保護者)
3月23日KJO演奏会での「ウイリアム・テル序曲」の出来栄え:
この曲はワークショップでパンチャス氏が指導し、1週間後の芸術館小ホ-ルで超満員となったKJO演奏会で、田辺代表が指揮をとられた。代表の談話を紹介します。「この日の子供達は指揮棒に集中して音が良く揃い、普段の練習時には聞いたこともないようなメリハリのある生き生きとした音を聴かせてくれました。特にウイリアム・テル序曲は冴えていました。これはパンチャス先生の指導を受ける機会に恵まれて子供達の曲への理解が深まったことだと思います。お客様の拍手は例年にも増して熱気と力強さに溢れていました」。
今後への大きな期待
今回のパンチャス氏の指導は、子供達が受けた新鮮な刺激が自分達の成長の糧になり、KJOの発展と共に、将来に向けて大きな楽しみを与えてくれたワークショップでした。仲介役を果たした鎌倉ユネスコの一員として近い将来、KJOからAYOのオーデイションに合格し団員として世界で活躍する若手が誕生することを期待しています。
<一口メモ>
アジアユースオーケストラの特徴は毎年オーディションで楽団員を一新することで、今年も実施した。3月に各都市で実施、4月に98名の合格者を発表した。日本人は14名合格。7月~8月の香港の合宿とツアーに備えている。当然鎌倉公演にも登場、楽しみである。(田村)