ペルー便り
~にぎやかな朝市「チャイワ」~
ペルー全国どこに行っても地元らしい雰囲気と活気があふれる場所、それは朝市である。
ワラスで朝市の楽しさを味わうなら、毎週月曜日と木曜日のチャイワがお勧め!活発に動く朝市では「これいくら?あれもこれも買うから安くしてよ~」と交渉しながら、新鮮で色彩豊かな野菜、果物、生花や保存食を安く手に入れることができる。
何百キロものジャガイモや玉ネギを売りにくるおじちゃんたちもいれば、遠く離れた田舎から自分の小さな畑で収穫した野菜や果物を持ってくるおばちゃんまで、朝4時ぐらいからぞろぞろ集まり、スタートする。
単なる果物と野菜の市場ではなく、薬局でもあり、情報交換の場や地元のおばちゃんたちの団欒の場でもある。体に良く病気を治してくれる代々伝わる薬草を詳しく教えてくれたり、近所の村人同士が週2回集えるのを楽しみにしている場だったり、地元の旬の食べ方を教えてくれる場だったりするのだ。
その場で料理を作ったり持ち込んだりして販売している人もいる。その中で意外なものが『マサモラ・デ・トコシュ』である。ジャガイモを流水に数ヶ月~1年間浸して作る発酵イモ「トコシュ」を、沸騰したお湯に入れ、砂糖などとともに煮てマサモラ(ドロッとした葛湯みたいなもの)にして食べるもの。発酵臭があるので当然くさいが、トコシュのすばらしい点は、食べることで気管支系や消化器系の働きをよくすると言われ、免疫力がつくから風邪を引かない! とも言われていることだ。現地の人いわく、これらはトコシュが含む自然由来の抗生物質ペニシリンによるものだそうだ。アンデスの人々は赤ちゃんの頃から食べているから、大人になっても健康そのもの。
私たちはチャイワの市場に行くたびに地元の人との交流により発見や学びを得、新鮮な野菜や果物をカゴいっぱい買い、地元の言語、ケチュア語を一言二言覚えて家に帰る。
一般的な観光では体感できない朝市チャイワの雰囲気を、ワラスを訪問する友人や日本の観光客とも一緒に味わいたいと思っている。待ってますよ!(太田 清可)