あいち臨空 新エネルギー実証研究エリア 見学旅行
~科学・環境委員会~
11月26日、27日、恒例の見学ツアーに行って参りました。今年も一行17名である。小雨の中、互いに顔見知りの一行は、新東名を順調に進み、三ケ日で旧東名に戻り、豊田ICから伊勢湾岸道に入り、大府西から知多半島道路を南下して、目的地、あいち臨空 新エネルギー実証研究エリアに向った。
最初の見学先:新エネ体験館に到着すると、担当の河瀬さんが入口で出迎えて下さった。愛知県産業労働部、産業科学技術課、技術振興第一グループ主任とある。施設概要説明の後、館内と屋外の施設を見学した。
紙屑や草、パンの耳等のいわゆるゴミからエタノールを造るバイオマス、弱風でも動く風力発電、太陽光発電、水素吸蔵合金内蔵の、燃料電池で作動する信号機、液化水素タンクを備えた燃料電池車、太陽光発電、スターリングエンジンの模型等を見学する事ができた。バイオマスでは、原材料によってエタノールの香りが異なる。焼酎を連想した。太陽光パネルは、電圧を稼ぐ為に、直列配列部分があるので、パネルの一部が日陰になると、その部分が負荷となり、発電しなくなる事を強調して説明されていた。河瀬さんにお礼を言って体験館を離れ、実際に空港バスに水素を供給している水素ステーションをバスの中から見て、内海温泉ホテル松濤に向かった。5時前に到着。7時からの懇親会では、宿の御馳走攻めに遭い、大いに飲んで食べて、初日のスケジュールを終えた。
2日目: 9時頃には中部電力の武豊発電所に到着した。所長代理の堀さんが出迎えてくれ、軽妙でかつ迫力ある説明をして下さった。説明の要旨は、原発停止の現状では、需要ピークと電力供給能力がギリギリに拮抗している事。太陽光発電所は所有しているが、天候次第では全くあてにならない事、一度供給不足を起こすと、人命にかかわるので仕方なく武豊のオンボロ4号機を必要に応じて稼働させている事、その為の燃料はタンカー1隻分を2日間で消費してしまう事。武豊発電所の稼働には周到な準備で対応しているが、現状は綱渡りで極めてあやうい上、CO2削減にも、経済的にも問題が多い事。一言でまとめると、電力供給は、安定した余力がなければ責任を果たす事ができないと言う事である。
そうであれば、安定した地熱発電が打開策のテーブルの上にすら乗って居ないのは何故か、極めて不思議である。温泉の営業権の問題、国立公園の問題等が原因とされているが、そんな事より人命の方が重い。現状は実は大して緊急な問題では無いと言っている様に聞こえてくる。
それにしても実際に見る武豊火力発電所の老朽ぶりは、まるで朽ちかけた巨大なゴミ屋敷だ。よく稼働している。「堀さん、我々は応援します。」 見学を終え、豊田ICを経由し、交通渋滞をかいくぐって足助にたどり着くと、太陽光を浴びて巴川を赤く染めた「香嵐渓」が突然眼前に現れた。(神澤)