ペルー便り

ペルーではパパが大好き!

肉ジャガ、カレー、コロッケに入る共通の野菜は何でしょう。ペルーではパパが好き一番に思いつくのがジャガイモ、次にニンジン、タマネギだろうか。

原産はニンジンがアフガニスタン、タマネギが中央アジア、そしてジャガイモはペルー。南米ではジャガイモのことをパパと呼び、語源はケチュア語だそうだ。

世界で一番ジャガイモの遺伝子を持っているペルー国際ジャガイモセンターによると、ナス科のジャガイモは世界の栽培食物として米、小麦、トウモロコシの次に重要性があると言われている。全世界に4,000種以上のジャガイモがあり、うち在来種8種類と栽培種2300種類以上がアンデス山脈で見つかっている。

ジャガイモが日本にたどり着くまでには多くの年月と様々な大陸間の移動が必要だった。ペルー海岸線中部では今から8000年前の遺跡で野生のジャガイモがみつかり、ボリビアとの国境にあるチチカカ湖では7000年前にすでにジャガイモが栽培されていた。その後、ペルーの様々な時代で主食として食べられ、インカ帝国の最盛期にはジャガイモ研究が進んでいた。16世紀にスペインがインカ帝国を侵略し、ジャガイモは初めて南米大陸を出てスペインの地を踏むことになる。

耐寒性があり、痩せている土でも育ち、少ない面積でも収量が大きく、ヨーロッパを襲った飢饉で数えきれないほど多くの人々を救ったのはジャガイモだった。日本には16世紀から17世紀にジャカルタ港より運びこまれた。「ジャカルタから来た芋」がなまってジャガイモになったという説が一般的。江戸時代に起きた数々の飢饉をしのぐための作物として全国に広まっていった。

ペルー料理にジャガイモは欠かせない。アンデスの市場の一店舗で売っているジャガイモの数は少なくても10種類ぐらいはあり、「おばちゃん、○○料理を作りたいんだけど、どのジャガイモが良い?」と聞くと、どの料理にどのジャガイモが適しているかを必ずちゃんと答えてくれる。ペルーでジャガイモのない生活は想像もつかない。自分がペルー人であることに誇りを持っていることを「私はジャガイモよりもペルー人よ」と表現するくらいなのだ。だから、ペルー人はパパが大好き!(太田さやか)

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