今年は、新型コロナウイルス感染症の5類移行による様々なイベントの復活やインフルエンザの流行により応募総数が633点と例年よりも少なくなりましたが、素晴らしい作品が多く審査する先生方を大いに悩ませていました。
今回の絵画展は天候にはあまり恵まれませんでしたが、行動制限がなくなったことや盛岡への観光客が多くなった事などから、3日間の来場者は約750名と例年を大きく上回る方にきていただきました。多くの方に見てもらうことで、絵画展の認知度が広まって応募作品が増えることを期待したい。
今年も多くの会員、ボランティアの方のご尽力で審査会、台紙つくり、絵画展開催とスムーズに行うことが出来ました。本当にありがとうございました。
来年は更に多くの会員の方々にお手伝い頂ければと思いますので、よろしくお願い致します。
たからもの委員会副委員長 中谷 寛之
講 評
審査委員長 種倉 紀昭
盛岡ユネスコ協会は地域遺産保護活動の一環として表題のテーマで市内の小中学校中心に絵画作品を募集、入選・賞の審査を行い、絵画展は17回目になります。
長年、一緒に審査に当たってこられたのは、野口晃男先生、侘美洋子先生、平 政光先生です。
小学校10校、596点、中学校2校、37点、応募総数633点(昨年度828点)でした。入選・入賞の絵は、中ノ橋の岩手銀行赤レンガ館1階の会場に11月17日から19日まで展示されました。スペース上から多くの作品を選外としたのは残念です。
日本ユネスコ協会連盟会長賞、盛岡ユネスコ協会会長賞、盛岡市長賞、盛岡市教育長賞、北日本銀行賞、岩手日報社賞、岩手銀行賞、東北銀行賞、盛岡信用金庫賞の9点が優秀賞。
入賞41点、うち、金賞10点、銀賞13点、銅賞18点。入選100点(小89、中11)です。
応募作品のどの絵も皆、創意、工夫、個性があり素晴らしく、主な題材やテーマは、地域の文化遺産、地域の景観、祭礼行事、体験学習、動植物や友だちとの交流などです。
2020年から続くコロナが、一日も早く収束して欲しいと思います。
日本ユネスコ協会連盟会長賞『カンガルーの上であそぼう』 盛岡市立中野小学校 1年 |
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盛岡ユネスコ協会会長賞『たくさんの気持ちがこめられた天昌寺』 盛岡市立厨川小学校 6年 |
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盛岡市長賞『盛岡タワーが見える市役所前の風景』 盛岡市立下橋中学校 2年 |
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盛岡市教育委員会教育長賞『みんな なかよし』 盛岡市立土淵小学校 4年 |
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岩手日報社賞『冬の櫻山神社』 盛岡市立下橋中学校 3年 |
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北日本銀行賞『近い未来 ぼくはこのマウンドに立つ!!』 盛岡市立厨川小学校 6年 |
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岩手銀行賞『岩手銀行 赤レンガ館』 盛岡市立大新小学校6年 |
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東北銀行賞『チャグチャグ馬コ』 NHK文化センター子供絵画教室 (でんとうはすごいと思いました) |
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盛岡信用金庫賞『舟っこを見送るヒマワリ』 盛岡市立松園小学校 4年 |
副会長 田中 耕之助
「地域に根ざして『平和の心』を育むー持続可能な社会の実現を目指してー」という大会テーマの下、「港ばやし」太鼓のオープニング、挨拶や報告等の開会式、「故郷を失った難民の日々~シリア難民から考える世界~」と題し、秋田市出身のドキュメンタリーフォトグラファー小松由佳さんの基調講演、「平和の心を育むユネスコ活動」というテーマで仙台ユ協、いわきユ協、秋田ユ協の3名による実践報告を兼ねたパネルディスカッション、次期開催県(山形酒田市)代表挨拶、閉会式と続きました。
夜は交流会で、途中アトラクションに「ウクライナの音楽」が演奏披露され、皆さん平和の有り難さを改めて感じ入っている様子でした。
今回の大会では基調講演、パネルディスカッションとも、とても中身の濃い内容でありました。また、開会行事の最後に国際教養大学2年生による秋田ユ協での活動報告等もあり、未来への希望も感じられる充実した大会なったと思います。
印象に残ったのは、「民間ユネスコは専門家・研究者と地域を繋ぐインタープリター(通訳者)である」という言葉でした。
「打つ手は無限」という言葉を信じて、まずはできることから実践することが大事だなと感じました。ありがとうございました。
岩手創価学会は震災以降、創価学会音楽隊による「希望の絆コンサート」を被災各地で開催し、これまでに30施設・約1万名の方々に希望の音律、励ましの歌声を届けてきました。
また、被災地の小中学校・図書館への図書贈呈は、この11年で18校・約8千冊に上ります。
ユネスコの「人の心の中に平和の砦をつくらなければならない」との理念に共感し、これからも地域の発展を願い、平和の文化構築に一層取り組んでまいります。
日本ユネスコ協会連盟は、SDGs(Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)の目標4を中心ゴールに据え、「教育を通じたSustainable Development Goalsの推進=平和な世界への貢献」を目指して活動しています。
NHK文化センター 子供絵画教室 講師 髙橋 邦枝
「あら、とっても上手ねぇ」と言うと、
他の方々も覗き見て、「ほんとだ。Sちゃんはすごい。〇って難しいのにこんなにたくさん描けたのね」等と口々に誉めたのです。
でも、誉められたS君はちょっと悲しそうな顔…「おともだち、ほいくえんのおともだち、いっぱい」ときっぱりと言ったのです。
描かれた絵は、描き手の内なる想い(感動した事柄や物、興味を持ったことや物、経験したこと等々)を形や色で表現したものだと考えられています。
S君は 保育園がおやすみの今日、いつもは楽しくいっしょに過ごしているお友達の事を描きたかったのでしょう。
表現は、表現する力に比べ、観る目、感じる心等の内なる想いの方が先に発達します。表現が、内なる想いと、それを表現する表現力で一つの表現(作品)となることを考えた時、乗り越えなければならない課題は、想いと表現力の不一致です。
「こうじゃあない、僕の思っている形はこうではない」と表現することの壁に気づきます。(これこそが成長そのもので喜ぶことなのですが)気づきを誉め、壁に同調し、一緒に考えながら工夫する経験を通し、自分の表現に確信を持たせることができます。
気づきを大切にすることが、内なる想いの表現に、又その先の表現にもつながると思えます。
〇から出発した、S君のお友達の表現に、何か変化があったのでしょうか。
「あら、おててなの」と、小さな変化にお母さんが喜んであげたり、曲げた腕を描きたいS君と一諸に、曲げた腕の仕ぐさをしてみたり、触ってみたり……。
気づきから、感動の表現へ、喜びと納得の変化があるにちがいないと思えます。
此の度、描くということを整理する機会をいただきました。
「豊かな心の子に育って欲しい」という願いは、誰れもが思っている願いだと思いますが、「描く」活動においても「豊かな心」が最も根源にあることだと再認識できました。成長する子ども達とともに変化する子ども達の作品がとても楽しみです。
これは多年ににわたり、事務局長として高い見識と指導力で岩手県のユネスコ運動を牽引し、ユネスコ活動の啓発と推進に尽力され、発展と社会教育の振興に多大な貢献をされたことによるものです。