No.208                        2004.6.9

     くちなし と あじさい の 季節に    

目黒ユネスコ協会会長 加藤玲子
モスグリーンを背景に「くちなし」の白が映えて美しい。そこここに甘い香がただよい「紫陽花」の淡い色彩とともに、この季節の楽しみをしらせてくれる。
 ■5月22日には第51回通常総会と特定非営利活動法人目黒ユネスコ協会設立総会を盛会のうちに終了させていただいた。この日は会員はもとより、ご列席の区長、教育長、区議会議員、顧問ほかの方々から多くの励ましと支えを与えられた。目黒ユネスコ協会誕生から50年。また新しい出発だ。創立50周年記念会は10月2日(土)。記念講演には、平和と人間の尊厳を見つめながらご活躍のドキュメンタリー写真家大石芳野氏をお迎えする予定。いまその日にむけて委員会も事務局も忙しい。ユネスコ運動を通じてボランティア活動に関われる喜びを身に感じとりながら・・。

 ■このたび日本ユネスコ協会連盟は「ユネスコ30の質問」を出版した。(P4参照)
ユネスコ理解のために手引き書として活用いただきたい。以下はこの冊子の前文からの抜粋である。『・・・人類は、異なる文化、未知の文化に出会うことにより、互いに影響を及ぼしつつ、豊かで多様な文化をはぐくみ、今日に至る発展をとげてきました。自己と異なるものを受け入れる寛容の精神、他者を認め他者から学ぶ謙虚さ、そしてこの宇宙の小さな惑星で生きていくための共生の精神。言い換えればユネスコの究極の理念である「平和の文化」の構築と、多文化共生を実現する努力が今ほど求められている時はないと思われます。・・・』
 多文化共生といえば当協会では6月18日大田区立中冨小学校の「総合的な学習の時間」への協力を行う。担当はイラン・タイ・韓国の方々とコーディネーター役のメンバー(日本)。子どもたちのキラキラと輝く瞳が見えるようだ。

 ■もうひとつ、目黒区内のキリスト教会とお寺の寛容な話。柿の木坂教会は、この春から半年間の耐震工事にとりかかることになった。そこで関係者は付属ベテル幼稚園の仮園舎探しに東奔西走。その末、中根町の立源寺が応じて下さったという。立源寺は第二次世界大戦後も戦争孤児ほか恵まれない子どもたちを育むなど多くの社会貢献をされた由緒あるお寺だが、この度も宗教法人は地域社会に尽くすことも使命の一つとご住職が檀家を説き、受け入れたとのことだ。
 ユネスコの理念である『平和の文化』の構築。それは実践してはじめて可能なのだ。世界では民族や宗教による対立が災いをおこし、なお果てしない。この時代に教義を越え寛容を旨としたこの行いは、日本の土壌に持つ文化だからこそ可能なのだろうか。平和の文化の創り手としての両者の勇気をたたえたい。そして美しい話として深い感動と敬意をもって皆さまにお伝えしたい。 

・・・  目   次  ・・・
くちなしとあじさいの季節に                                  ・・・・1P
第51回通常総会・NPO目黒ユネスコ協会設立総会報告                ・・・・2P
田島顧問指導者賞受賞、白川中学生徒来訪                       ・・・・3P
お知らせと予定                                        ・・・・4P


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