No.211                        2004.10.13

初   心
目黒ユネスコ協会 会長加藤玲子
 その日、パーシモンホールは青い空につつまれた。窓越しに戯れるように跳ねる水の向こうには、芝生に遊ぶ子供たちの姿もいとおしく映り、目黒ユネスコ協会創立50周年記念の日は穏やかな日和のうちに執り行われた。
 ご来賓、講師、子供の詩の朗読、そして記念を祝してご来場いただいた皆様に、まず感謝を申しあげたい。さらに、ご高齢やご都合でご来場の叶わなかった多くの方々からも喜びのお便りなどいただき、あらためて歴史の重さと人の絆の尊さを痛く身におぼえる。
 リズミカルに響くチャングの演奏、素朴な若者の開会宣言、その日のひとこまひとこまが今も脳裏をよぎる。ユネスコの加盟国は、190ヵ国だが、これまでに目黒ユネスコ協会の活動に参加された国数は120ヵ国余、その内、青年活動に参加した63ヵ国の旗がステージを彩った。この目黒区や国内のみならず多くの民族の方々に協会活動が支えられていることを胸に刻んだ一日だった。
 「私たちは、次のような主旨で目黒ユネスコ協会をつくり、ちからをあわせて、目黒の社会のため、さらに世界のために、よい仕事をしたいとおもいます。」
この前文で始まる目黒ユネスコ協会の設立趣意書は、50年を経た今日でも、なお、ユネスコ運動の真髄を格調高く、やさしく語りかける。趣意書は、「ユネスコに協力し、その精神を生かして、目黒の地域に、自由と正義と平和を愛する人びとの会を作り、この区の文化的水準の向上と、この地域の社会を明るくすることに、いくらかでも役立ちたいと思います。」と結ばれる。
                     
 今、さらに開かれた活動の展開をもとめて申請したNPO法人の設立が認可され、次の50年にむけて幕をあける。私たちは、先達から「謙虚に行動の一歩を踏み出すことの大切さ」を学んだ。ここに、内外の多くの皆様と共にユネスコの精神に添って、次代を築くための仕事を重ねたい。そして会員は、常に初心に立ち返ることを覚えたい。年代を超えて、国境を越えて、創立者とそれに続く方々の情熱と勇気を胸に、明日から、また、確実な歩みを始めよう。

・・・  目   次  ・・・ 
初  心      ・・・・・1頁
目黒ユネスコ協会創立50周年記念「ユネスコのつどい」    ・・・2頁3頁
世界遺産・セルビア・モンテネグロの実情、式典当日のプログラムから              ・・・・・・・・・・・・4頁
目黒碑文谷散策、五本木小学校で異文化交流 ・・・・・・・・・・・・5頁
お知らせと予定 ・・・・・・・・・・・・6頁
                                              

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